第3回 財産棚卸をしない遺言書は機能しない 香川県・徳島県の相続実務から見た資産把握の完全手順
香川県17市町および徳島市・鳴門市の相続実務では、遺言書作成後に未把握財産が発見され、

遺産分割協議書を作成しても、その後の調査で、その時に判明していなかった遺産が発見される場合があります。このような場合に、当初の遺産分割協議書に「条項」を盛り込むことで、遺産の引継ぎ方法を取り決めておくことができます。
目次
1.法定相続分通りに取得させる場合
2.法定相続分とは異なる配分で取得させる場合
3.一人の相続人に取得させる場合
4.判明したときに別途協議する場合
5.まとめ
1.法定相続分通りに取得させる場

「第〇条 本協議に記載のない新たな遺産が発見されたときは、当該遺産につき、相続人A及びBは、2分の1ずつそれぞれ取得する。」
※事例は、子A・Bのみが相続人であった場合を想定しています。
のちに遺産が発見されるなど、最初の遺産分割において遺産の一部を脱漏した一部分割の可否についての法律上の規定はありません。しかし、このような取り決めは有効とされています。ただし、初めの一部分割時に脱漏した遺産が判明していれば、最初の遺産分割のような分割は行わなかったと主張する相続人の方がいる場合には、民法95条1項により、錯誤取消になる場合があります。
2.法定相続分とは異なる配分で取得させる場合

「第〇条 後日、本協議書に記載のない遺産が発見された場合には、当該遺産につき、相続人Aが4分の3、相続人Bが4分の1を取得するものとする。」
「1.法定相続分通りに取得させる場合」と同様に、予め新たに遺産があることが判明した場合の条項を取り決めておくことも可能です。勿論、錯誤取消になる場合もあります。
3.一人の相続人に取得させる場合
「第〇条 本協議世に記載のない新たな遺産が発見された場合には、当該遺産については相続人Aがすべて取得する。(これについて、Bは異議がないことを確認する。)」
「1.法定相続分通りに取得させる場合」と同様に、予め新たに遺産があることが判明した場合の条項を取り決めておくことも可能です。勿論、錯誤取消になる場合もあります。
例えば、相続人Aは、被相続人である父親と同居しており、相続人Bは遠方に住んでおり、実家に関連する遺産は、基本相続人Aにすべて帰属させたいといった要望がある場合、このような条項を盛り込みます。今まで、実務上で最もよく使う項目です。
4.判明したときに別途協議する場合
「第〇条 後日、本協議書記載のない新たな遺産が発見された場合には、当該遺産の分割について別途協議をする。」
一部分割後の残余財産の分割方法としては規定がありません。残余財産のみの分割で足り角か、はたまた、再度、当該遺産を含めた遺産すべてについて協議を行うのか?悩ましいところです。
一部分割の際の当事者の意思表示の解釈に関する裁判例があります。
「遺産の公平な総合的分配のために、すでに一部分割された遺産も分割時において存在するものとして、遺産の総額を評価し、それに各当事者の法定相続分を乗じて具体的相続分を算定し、さらに一部分割により各当事者の取得した遺産の評価額を算定して、具体的相続分と一部分割による取得分との可不足分を算出しなければならない。」(東京家審昭47.11.15家月25.9.107)
しかし、現実問題として、仮に遺産分割審判までもつれた状態で、新たに発見された遺産について別途協議するというのは、無理があると思います。実際、遺産分割審判書にこの条項が盛り込まれており、また遺産分割調停を申し立てた事例を見たことがあります。家族関係がさらに悪化してしまいますよね。
5.まとめ
民法の相続法改正により、遺産分割協議によって一部分割が可能であることが明文化されています。(民法907条1項)しかし、新たに発見された遺産について、その財産のみの分割協議でいいのか、再度、全体として遺産分割協議をやり直すのかについては、状況観て判断するようにしております。勿論、司法書士として、その内容にまで介入することはありませんが、家族関係の状況によっても変わってきます。
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