36:突然亡くなった結婚前の夫のNISA口座の調査
先日、ご相談で、結婚間近の男性が、婚約者にデジタル資産をあげたいと言っていたので、亡くなった男性のご両親から、その調査方法についての問い合わせがありました。
1.はじめに
2.事例から考える
3.相続放棄の期限
4.相続放棄手続きをする際にやってはいけないこと
5.相続財産がないと思っていたら借金の督促がきた
6.相続放棄の手続き
7.まとめ
ある方が亡くなった場合、兄弟姉妹(甥姪)も相続人になるケースがあります。例えば、亡くなった方が「おひとりさま」ですでにその方の両親が亡くなっている場合や亡くなられた方の第1順位(子供)、第2順位(両親)の相続人が相続放棄をした場合などが考えられます。(配偶者が相続放棄をしていなくても、兄弟姉妹が相続人となります。)
そして、亡くなった方に借金がある場合、債権者から支払いの請求があるかもしれません。
そのような場合、もし借金を相続したくなければ、3か月以内に家庭裁判所で相続放棄の手続きをする必要があります。その場合、亡くなった方の財産を処分してはいけません。仮に相続放棄の申請をした後であっても、「法定単純承認」とみなされ相続放棄できなくなってしまいます。
上記事例で、二郎さんが死亡したとき、二郎さんが「おひとりさま」であり、ご両親と兄の一郎さんが二郎さんの前に既に死亡されていた時、相続人は、妹の松子さんと兄一郎さんの子供である甥の一夫さんとなります。
二郎さんに借金があった場合、債権者は戸籍を調べて、松子さんと一夫さんの存在を確認すると、請求をこの二人にします。この借金を松子さん、一夫さんが負いたくない場合には、3か月以内に家庭裁判所で相続放棄の手続きをすることとなります。
※各相続人単独で相続放棄の手続きをすることになります。
相続放棄の期限は3か月以内です。それでは、いつから3か月以内に放棄すればいいのかと言いますと、「自己のために相続の開始があったことを知ったときから」3か月以内となっております。「自己のために相続の開始があったことを知ったときから」とは、
が要件となっています。しかし、安全を見るならば、死亡から3か月以内がいいでしょう。
また、先順位の相続人が相続放棄をしたために相続人となった場合には、その相続放棄を知ってから3か月以内となります。(以下の図を参照してください。3が該当します。)
相続財産を「処分」すると相続放棄できなくなります。具体的には、
①預金を下ろして使う
➁不動産、動産の売却
③家屋の取り壊し
④動産を壊す
もし、その行為が「処分」にあたるのか不安な場合には、やらない方が安全です。
亡くなった方に、相続財産がないと思って放置していたら、3か月経過後に、債権者からいきなり借金の督促が来た場合にはどうすればいいのでしょうか。
この場合、事情によっては「債権者の督促状が届いたときから3か月以内であれば」相続放棄が認められるケースがあります。この場合には、専門家に相談することをお勧めいたします。
この事情というのは、「亡くなった人の生活歴」や「亡くなった人との交際状態」などを基に「相続人の方が、亡くなった方に全く相続財産がないと思うことにやむを得ない事情がある場合」には、相続放棄が認められるケースがあります。
その時、債権者の手紙(封筒も含め)保管しておいてください。この手紙が送らrて来た日付から3か月以内が期限となるためです。
①-1家庭裁判所に相続放棄申述書を提出
相続放棄申述書は司法書士にお願いして作成することも可能です。
提出する家庭裁判所は、亡くなった方の最後の住所地の家庭裁判所となります。
①―2兄弟姉妹が相続放棄する場合の必要書類
相続放棄申述書の作成を司法書士に依頼する場合には、費用は掛かりますが司法書士の方で戸籍類を集めることができます。
➁家庭裁判所から照会状・回答書が送られてくるので、回答書に必要事項を記入の上返送します。その内容とは、
(3か月以内の質問)
という質問が来ます。状況によっては異なる質問が来る場合もありますので、回答してください。
(3か月を超えている場合)3か月以内のものの追加分のみ
(1)いつ (2)誰から (3)どのように
(回答書質問部終わり)
③相続放棄申述受理通知書が送られてきます。高松家庭裁判所では、この時に「相続放棄申述受理証明書」の請求書類が同封されているので、何枚か取得しておくとよいでしょう。
相続放棄申述受理通知書は再発行されませんので、債権者に提出する場合には、請求書で取得した「相続放棄申述受理証明書」を渡すようにしてください。
兄弟姉妹そしてその甥姪も相続人になるケースがあります。亡くなった方に借金があり、これを相続したくなければ、3か月以内に家庭裁判所で、相続放棄の手続きをしなければなりません。相続放棄をする場合には、相続財産を処分をしてはいけません。相続放棄を司法書士に依頼する場合には、司法書士に家庭裁判所に提出する戸籍類の収集の依頼もできます。
先日、ご相談で、結婚間近の男性が、婚約者にデジタル資産をあげたいと言っていたので、亡くなった男性のご両親から、その調査方法についての問い合わせがありました。
相談者の方から相続登記のご依頼があり、被相続人の不動産を特定するために「固定資産材評価証明書」の取得をお願いいたしました。被相続人は、生前離婚歴があり、離婚の際、財産分与を受けていました。しかし、ずいぶん前に亡くなっており、登記簿上の名義人の住所と、被相続人の最後の住所地が同じでしたので、住民票の除票の写しもしくは戸籍の附票の取得をお願いいたしました。
生前贈与のために相談に来られた方で、登記簿を確認すると「平成の大合併」で、地番の変更はありませんが、平成18年に○〇郡から○〇市に編入されていましたが、登記簿を確認すると平成18年以前に、相続登記がされていて、そのために旧住所で登記がされている状態でした。
先日の相談で、遺言書に「特別受益の持ち戻し免除」の条項を入れると、遺留分対策になるのかという質問を受けました。