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相続登記義務化Q&A

目次

1.相続登記義務化(改正不動産登記法76条の2第1項)

2.ケース別Q&A

 2-1.死因贈与や生前の権利移転により不動産の所有権の取得をした場合

 2-2.相続登記義務化の対象の権利

 2-3.義務違反の過料の制裁は、どのように行われるのか

 2-4.過料を免れるための「正当な理由」とは

3.まとめ


1.相続登記義務化(改正不動産登記法76条の2第1項)

 令和6年4月1日に施行される相続登記義務化ですが、相談会においても頻繁に質問されることが多くなってきました。そこで、相続登記義務化についての質問で具体的にした方がより理解が深まると思いましたので、解説をしていきます。

2.ケース別Q&A

 2-1.死因贈与や生前の権利移転により不動産の所有権の取得をした場合

 死因贈与や生前の売買契約でも、今回の相続登記義務化の範囲に含まれるので しょうか。死因贈与や生前の売買の権利者は、契約締結行為により権利を取得して いることとなります。積極的な権利変動に関与している上、一般に不動産の登記に ついては対抗要件主義(登記しないと第三者に対抗できない)が適用されるため、 今回の相続登記の義務を課す場合には当たらないということです。

 2-2.相続登記義務化の対象の権利

 不動産登記法上、登記できる権利は、「所有権」「地上権」「永小作権」「地役権」 「先取特権」「質権」「抵当権」「賃借権」「配偶者居住権」「砕石権」の10種類が 該当します。これらすべての権利について、相続登記の義務化の対象となるのでし ょうか?

 相続登記義務化の目的は、所有者不明土地の解消にあることから、主として所有 権が対象となることに加え、抹消ずべき用益権や担保権(所有権以外の権利)の登 記名義人が所在不明であっても、所有者は、所有権に基づく登記抹消請求を求める 訴えを提起して裁判で登記を抹消する方法のほか、不動産登記法70条(登記義務 者の所在が知れない場合の当の抹消)により登記の抹消をすることも可能です。

 よって、相続登記義務化の対象となる権利は、所有権に限るものとされています。

 2-3.義務違反の過料の制裁は、どのように行われるのか

 過料の制裁を設けることについて、消極的な意見もありましたが、相続登記申請 義務を単なる努力義務ではなく過料の制裁を伴う具体的意義とすることが必要と されました。

 過料の制裁を設けることにより不幸平易な取り扱いがなされることがないよう に、登記官が裁判所に対して科料に処せられるべき者についての過料事件の通知 を行うにあたっては、登記官は、登記申請義務違反の事実を把握した場合に、あら かじめ相続人に対して登記申請をするよう催告することとし、それでもなお登記 申請をすべき義務を負う者が理由もなく登記申請をしないときに過料通知を行う こととするなど、過料通知についての手続きを法務省令において明確に規律する ことを想定しています。

 2-4.過料を免れるための「正当な理由」とは

 過料を科す手続を整備するにあたり、「正当な理由がない」場合の具体的な類型 についても通達等において明確化することにより、適切な事務運用が安定的に行 われるように十分な配慮を行うことが予定されています。

「正当な理由」がある場合の具体例として

①数次相続が発生して相続人が極めて多数であることにより、戸籍謄本等の必 要な資料の収集やほかの相続人の把握に時間を要するとき

➁遺言の有効性が争われる訴訟が係属しているとき

③登記申請義務者に重病等の事情があったとき

④登記簿は存在しているものの、公図が状況と異なるため現地をおよそ確認する ことができないとき

などが考えられます。

3.まとめ

 今回のQ&Aでは、相続登記義務化についての権利の範囲と過料の手続きについての内容となっています。相続登記義務化についての理解に少しでも役に立てばと思い作成いたしました。「正当な理由」がない場合は、早めの相続登記をお勧めしています。理由は相続は時間がたてばたつほど権利関係が複雑になってしまうためです。

 もし、他にもご質問等がありましたら、ご相談いただけると幸いです。

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