香川県の相続手続きで、見落としがちな"落とし穴"に気づいていますか?登記・相続税・遺産分割で後悔しないために、香川県 高松市の司法書士・税理士による無料相談会(毎月第3水曜開催)でプロに相談しましょう。90分対応・完全予約制。
(論点)生前贈与のポイント(暦年贈与制度と相続時精算課税制度)

相続税対策として一般的だった「暦年贈与」と「相続時精算課税」について、令和6年1月1日より、大きく変わっています。暦年贈与と同じ「110万円控除」というキーワードでも、相続時精算課税制度とは、中身が全く異なってきます。セミナーで伺った内容についてまとめてみました。詳しい内容につきましては、税理士にご確認ください。アイリスでは、香川県内の方を対象に、相続税無料相談会へのご案内をしております。ぜひご利用ください。(遺留分対策としても、使える場合があります。)
目次
1.暦年贈与と相続時精算課税
2.令和6年1月1日以降何が変わったのか
3.同じ「110万円控除」だが、意味が異なる
4.まとめ
1.暦年贈与と相続時精算課税(令和5年12月31日までの取り扱い)

暦年贈与(れきねんぞうよ)とは、年間贈与額から基礎控除額「110万円」を使い、相続発生時まで贈与を毎年重ねて総ぞ億財産を目減りさせていく相続税対策です。基本、贈与者、受贈者の要件はなく、誰でも使えます。現状では相続人への贈与について、相続発生前3年分の贈与は、相続財産に組み戻されます。
相続時精算課税(そうぞくじせいさんかぜい)とは、60歳以上の父母や祖父母から18歳以上の子や孫に財産を贈与した場合、贈与者の生涯において2500万円を特別控除として、相続発生時にこの2500万円を相続財産に全額組み込む仕組みの制度です。特徴として、この暦年贈与精算課税制度を選択した場合、税務署への届出が生じ、暦年贈与との併用は禁止されていますので、途中で暦年贈与に変更できなくなります。
上記を見てわかるように、今までは圧倒的に暦年贈与の利用が一般的でした。なぜなら、暦年贈与制度は、毎年の控除額110万円は、組み戻される財産以外は控除されたままの状態となるためです。相続時精算課税は、2500万円の枠で使った額がそのまま組み戻されますので、暦年贈与制度の利用が多かったのもうなづけます。
2.令和6年1月1日以降何が変わったのか
ところが、令和6年1月1日より、暦年贈与・相続時精算課税の取り扱いが変わっています。
改正される内容は、以下の通りです。
①暦年贈与制度
暦年贈与制度の内容自体は変わらないのですが、組み戻される期間が、現状の3年から7年に拡大いたします。何が問題なのかと言いますと、今まで相続税対策で、毎年少しづつ暦年贈与制度を使い、財産を目減りさせることで相続税っ対策としていたましたが、期間が拡大したことで贈与期間が短いと、対策した財産全てが相続財産に組み入れられてしまう点です。対策を始めてから7年以上かけないと、意味がなくなってしまうというわけです。
➁相続時精算課税
(令和5年12月31日までに計算式)
{(受贈財産の価額)-(特別控除額2500万円※生涯通算)}×税率
(令和6年1月1日以降の計算式)
{(受贈財産の価額)-(毎年基礎控除110万円)
―(特別控除額2500万円※生涯通算)}×税率
新しい相続時精算課税制度を選択した場合、毎年の基礎控除110万円分が相続税対策として効力が出てくるというものになっています。
※ただし、現状ではその取扱いは明確ではありません。今後、通達等で取り扱いが明確になってくると思われますので、本制度をご利用の際は、税理士に事前に確認をするようにしてください。
3.同じ「110万円控除」だが、意味が異なる

キーワードとして「110万円の基礎控除」とありますが、暦年贈与でも、相続時精算課税制度でも出てきます。単純に、110万円の基礎控除を使って相続税対策と言っても、どちらの制度のものか理解していないと、効果が出ないということも考えられます。
セミナーの中で講師の方が言っていたのが、「同じ110万円の控除でも、7年以上生きないと使えない暦年贈与制度の110万円控除と、節税効果抜群の相続時精算課税制度の110万円控除」という表現をされていました。
また、講師からの注意事項として、税務署は暦年贈与制度を廃止したいと考えており、相続時精算課税制度への移行を促している傾向が見受けられますが、今後、今の暦年贈与制度のように大きく変更される可能性もあり得るとのこと。ご存知の通り相続時精算課税制度は一端選択してしまうと、暦年贈与制度は利用できなくなりますので、慎重に判断をする必要があるとのことです。
4.まとめ
(まとめ画像)

アイリスでは、相続関連(相続登記だけでなくその生前対策も)の無料相談を随時受け付けております。いろいろとお話を聞くために、あえて時間設定は設けておりません。ただし、予約優先となりますので、必ず事前にお電話で予約をしてください。手続きが発生するまでは、相談の費用は掛かりません。(登記の方法を教えてほしい等、ノウハウを相談事項とする方は、ご遠慮ください)

また、別事務所で「相続法律・税務無料相談会」を月1で実施しております。こちらは完全予約制になっておりますので、必ず事前に電話で予約状況を確認の上、予約を確定してください。

最新のブログ記事
【第1回】「正解探し」をやめると人生が動き出す 〜小さな実験のすすめ〜
「人生が動かない」「現状を変えたいけど何をすればいいか分からない」と感じている人は少なくありません。その背景には、"正解を探しすぎる思考"があることが多いのです。正解を探すこと自体は悪いことではありませんが、それが過剰になると、行動のハードルを自ら高くしてしまい、一歩を踏み出せなくなってしまいます。本記事では、「正解探し」を手放すことの意味と、その代わりに取り入れたい"人生を前に進める小さな実験思考"について解説します。人生を変えたい、現状を突破したいと感じている方に向けた第一歩として、ぜひ参考にしてください。
【第5回・最終回】相続放棄の影響とは?次順位相続人・遺産分割への影響を解説
相続放棄は、相続人自身の財産管理を守る有効な手段ですが、その選択が他の相続人にどのような影響を与えるかご存知ですか?
「自分は放棄すれば関係ない」と思っていると、思わぬトラブルに発展する可能性もあります。
【香川県・土庄町】相続登記義務化の完全ガイド|罰則・手続き・空き家補助金を司法書士が解説
2024年4月から相続登記が義務化され、土庄町でも空き家や農地の相続に大きな影響が出ています。義務内容や罰則、放置リスクに加え、町独自の「空き家相続登記支援補助金」も解説。県外在住の方も安心して手続きが進められる方法をご紹介します。