1. 【要点】琴平町で必要な生前対策とは

　生前対策とは、ご自身が元気なうちに、財産の管理方法や承継先を法的に確定させておく手続きのことです。 琴平町において検討すべき主な生前対策は、以下の3つに分類されます。

• 遺言書の作成（公正証書遺言など）
• 「誰に」「どの財産を」渡すかを指定し、遺産分割協議（相続人同士の話し合い）を不要にする対策です。兄弟姉妹間でのトラブル防止に最も効果的です。
• 家族信託（民事信託）
• 認知症などで判断能力が低下し、銀行口座の凍結や不動産の売却不能（塩漬け）になることを防ぐための契約です。親の財産管理権を信頼できる家族に託します。
• 生前贈与・死因贈与
• 相続発生を待たずに財産の名義を移転させる方法です。相続税対策や、特定の人に確実に財産を渡したい場合に活用されます。

　これらの対策は、琴平町内の不動産（土地・建物）や預貯金を対象に、ご家族の状況に合わせて組み合わせるのが一般的です。

2. なぜ今、琴平町で「生前対策」が急務なのか

　琴平町での相続・生前対策のご相談が増えている背景には、地域特有の事情と法改正があります。

相続登記の義務化と罰則

　2024年4月1日より、相続登記（不動産の名義変更）が義務化されました。琴平町にある実家や田畑を相続したにもかかわらず、正当な理由なく3年以内に登記申請を行わない場合、10万円以下の過料が科される可能性があります。 「親が亡くなってから考えればいい」ではなく、生前から権利関係を明確にしておくことが、子ども世代を守ることにつながります。

空き家問題と「負動産」化

　琴平町は観光地としての魅力がある一方で、住宅地では高齢化が進んでいます。 「道が狭くて車が入らない実家」や「農地法の制限がある田畑」など、相続しても売却が難しい不動産も存在します。これらを放置すると、将来的に管理責任だけが残り、固定資産税の負担や、近隣からのクレーム（草木や倒壊の危険）に悩まされることになります。 元気なうちに「売却するのか」「誰かが住むのか」「解体するのか」を決断し、そのための権限（家族信託など）を整えておく必要があります。

3. 琴平町民が知っておくべき手続き場所【管轄リスト】

　インターネットで検索しても、意外と出てこないのが「琴平町の具体的な管轄情報」です。 一般的なサイトでは「最寄りの法務局へ」としか書かれていませんが、実際の手続き先は以下の通りです。

• 不動産登記（相続・贈与・売買）
• 管轄・提出先: 高松法務局 丸亀支局（丸亀市大手町３丁目１番１号）
• 備考: 琴平町の土地建物の名義変更はここで行います。
• 戸籍謄本・印鑑証明（相続関係書類の収集）
• 管轄・提出先: 琴平町役場 住民課（仲多度郡琴平町榎井817-10）
• 備考: 郵送請求も可能です。マイナンバーカードがあればコンビニ交付も一部可能です。
• 固定資産評価証明書（登記費用計算に必要）
• 管轄・提出先: 琴平町役場 税務課
• 備考: 毎年4月に届く納税通知書でも代用可能な場合があります。しかし、相続登記をする場合には評価証明書を取得することをお勧めします。納税通知では、固定資産税が課税される不動産しか記載されておらず、漏れが発生する恐れがあるためです。
• 公正証書遺言の作成
• 管轄・提出先: 善通寺公証役場（善通寺市文京町2-8-2）
• 備考: または丸亀公証役場。出張作成も可能ですが要相談です。
• 家庭裁判所の手続き（成年後見・検認など）
• 管轄・提出先: 高松家庭裁判所 丸亀支部（丸亀市大手町3-4-1）
• 備考: 琴平町は丸亀支部の管轄になります。

　当事務所にご依頼いただければ、これら役場や法務局とのやり取りは代行いたします（有償）ので、お客様が平日にあちこちへ出向く必要はありません。

4. 対策①：認知症による資産凍結を防ぐ「家族信託」

　近年、琴平町でも特にお問い合わせが多いのが「家族信託」です。

琴平の実家を守るための信託

　例えば、親御さんが琴平町の実家で一人暮らしをしており、将来的に施設へ入居する可能性があるとします。 もし、施設入居のタイミングで親御さんが重度の認知症になってしまっていると、「空き家になった実家を売って、施設費用に充てる」ということができなくなります。（成年後見制度を使う手もありますが、家庭裁判所の監督下におかれ、柔軟な売却が難しくなるケースがあります）。

家族信託でできること

　親御さんが元気なうちに、お子様との間で「家族信託契約」を結び、実家の管理権限を移しておきます。 そうすれば、万が一親御さんが認知症になっても、お子様のハンコだけで実家の売却や賃貸契約が可能になります。琴平の不動産を「塩漬け」にしないための、現代の必須対策と言えます。

5. 対策②：争族を防ぎ想いを残す「遺言書」

　「うちは財産なんて家くらいしかないから、揉めるはずがない」 そう思っているご家庭ほど、実はトラブルになりやすい傾向があります。

琴平の土地ならではの難しさ

　預貯金であれば1円単位で分けられますが、琴平町の土地や家屋は簡単に分割できません。「長男が家を継ぐ代わりに、次男には現金を渡す」といった調整が必要ですが、遺言書がなければ、相続人全員での話し合い（遺産分割協議）が必要です。 話し合いがまとまらなければ、不動産の名義変更はいつまでもできず、空き家のまま放置される原因となります。

公正証書遺言のすすめ

　当事務所では、公証役場（善通寺など）で作成する「公正証書遺言」を強く推奨しています。 自筆の遺言と違い、形式不備で無効になるリスクがなく、原本が公証役場に保管されるため紛失や改ざんの心配もありません。司法書士が文案作成から証人の手配までサポートします。

6. 対策③：将来の税と管理を見据えた「生前贈与」

　相続税対策として、あるいは「同居してくれている長男に確実に家を譲りたい」といった目的で、生前贈与を行うケースもあります。

• 暦年贈与： 年間110万円以下の基礎控除を活用する方法。
• 相続時精算課税制度： 2500万円まで非課税で贈与できる制度（※申告必須）。
• 配偶者控除： 婚姻期間20年以上の夫婦間で、居住用不動産を贈与する場合の特例。

　ただし、不動産の生前贈与は「登録免許税」が相続時よりも高く設定されていたり、「不動産取得税」がかかったりと、コスト面でのデメリットも存在します。 「相続で渡すべきか、贈与で渡すべきか」のシミュレーションも含めて、専門家のアドバイスを受けることが重要です。

7. 司法書士に依頼するメリットと相談の流れ

　琴平町の生前対策を、ハウスメーカーや銀行ではなく、司法書士（アイリス）にご相談いただくメリットは、**「法務手続きの実行部隊である」**という点です。

• 窓口が一つで完結： 相談から、戸籍収集、遺言書の文案作成、信託契約書の作成、そして最後の法務局への登記申請まで、ワンストップで対応可能です。
• 地域密着のフットワーク： 琴平町のご自宅や、入院先の病院、老人ホームへの出張相談も承っております。高松までお越しいただくのが難しい場合もお気軽にお申し付けください。
• アフターフォロー： 対策をして終わりではなく、実際に相続が発生した後の手続きまで一貫してサポートします。

ご相談の流れ

1. お問い合わせ： お電話またはメールフォームよりご連絡ください。「琴平町の記事を見た」とお伝えいただくとスムーズです。
2. 初回無料相談： 現状のお悩みやご家族構成、財産状況をお伺いします。
3. プランのご提案・お見積り： 遺言、信託、贈与など、最適なプランと明確な費用をご提示します。
4. 手続き開始： 必要書類の収集や書類作成に着手します。

8. まとめ

　琴平町での生前対策は、単なる事務手続きではありません。先祖代々受け継いできた土地を守り、次世代へ円満にバトンタッチするための「家族への思いやり」です。

　インターネット上には一般的な情報は溢れていますが、**「琴平町のこの土地をどうするか」**という具体的な悩みは、地域の事情に精通した専門家でなければ解決できません。

　管轄の法務局や役場の手続きに詳しく、琴平エリアでの実績豊富な当事務所に、まずは一度ご相談ください。早めの対策が、将来の安心と節税、そして円満な相続につながります。

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