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(論点)突然、遺産分割協議書が送られてきた!

遺産分割協議書が突然送られてきて、実印での押印や印鑑証明書の添付を求められるという状況は、相続における一般的な相談の一つです。特に、弁護士や司法書士から郵便で送られてくる場合、依頼者が驚きや不安を感じることが多いようです。このような状況で、どのように対応すればよいかを明確にするために、遺産分割協議書の作成過程や問題点、専門家としての対応について詳しく検討していきます。
目次
1. 遺産分割協議書の役割と作成手順
2. 問題の発生源:遺産分割協議書が突然送られてくるケース
3. 専門家としての責任
4. 相続人としての対応策
5. まとめ
1. 遺産分割協議書の役割と作成手順

遺産分割協議書とは、相続財産の分割方法を記載した書面で、相続人全員の同意に基づいて作成されます。協議書には、各相続人が受け取る財産の内容や割合が明示されており、これに全員が合意することで相続財産の正式な分配が行われます。
遺産分割協議は、全ての相続人が参加して行われるべきものであり、各相続人の権利や希望が十分に反映されることが重要です。この協議が完了した後、協議内容を文書にまとめ、最終的に全相続人が署名・押印を行います。通常は、協議が終わった時点で遺産分割協議書が作成され、その後、相続人全員がその内容に同意して署名・押印を行います。
2. 問題の発生源:遺産分割協議書が突然送られてくるケース
遺産分割協議書が突然送られてきて、「実印を押印し、印鑑証明書を添付して返送してほしい」と依頼されるケースは問題視されることが多いです。このような手続きは、全相続人が十分な協議を経て合意に至っていることが前提ですが、現実には、相続人の一部が協議の過程に十分に参加していないことがあるためです。
この場合、遺産分割協議書が送られてくるまでの協議内容が十分に説明されておらず、相続人がその内容に納得していないことがあります。にもかかわらず、専門家(弁護士や司法書士)が書類を作成し、署名や押印を求める行為は、相続人に対して不安や疑念を抱かせることがあります。これは、相続人が自らの権利や財産分割の内容を正しく理解していない状況で、結果的に押印してしまうリスクを伴います。
3. 専門家としての責任

弁護士や司法書士は、相続手続きにおいて相続人の代理を務めたり、協議の進行をサポートしたりする役割を担っています。しかし、遺産分割協議書が相続人に不意に郵送され、同意を得ることなく押印を求める行為は、専門家としての倫理や責任に疑問を抱かせるものです。
専門家は、以下の点を十分に考慮しながら対応することが求められます。
①全相続人への説明義務
専門家は、遺産分割協議書の内容や協議の過程について、相続人全員に対して丁寧に説明する義務があります。相続人が協議に関与していない場合、その協議の結果がどのような経緯で導き出されたのか、また各相続人にとってどのような影響があるのかを明確に伝える必要があります。
➁相続人の意向を反映する
遺産分割協議書は、単に相続人の意思を反映した文書ではなく、協議の結果として成立するものでなければなりません。そのため、相続人が実際に協議に参加していない場合や、十分に説明を受けていない場合、その協議書の内容に同意することが不適切です。
③押印の強制は避ける
相続人に対して、押印や印鑑証明書の提出を強制することは避けるべきです。相続人が協議内容に納得していない状況であれば、無理に書類を返送させることはトラブルを引き起こす原因となります。また、相続人が不当に押印を求められた場合、将来的にその協議内容について争いが生じる可能性も高くなります。
4. 相続人としての対応策
このような状況で相続人がどのように対応すべきかを考えると、以下のポイントが重要です。
①協議の内容を確認する
まず、遺産分割協議書が送られてきた場合、その内容が自分の理解や意向に沿ったものであるかどうかを確認する必要があります。もし協議に参加していなかった場合や、内容に納得がいかない場合は、押印を保留し、専門家や他の相続人と再度協議を行うことが重要です。
➁専門家に質問する
送られてきた遺産分割協議書に対して不安や疑問がある場合は、弁護士や司法書士に対して積極的に質問を行いましょう。協議書の内容やその背景について詳しく説明を求めることで、自分の権利を正確に把握することができます。
③押印を慎重に判断する
協議書に同意しない場合は、押印を急ぐ必要はありません。自分が納得できるまで協議を続けることが大切です。また、遺産分割協議書に記載された内容が法的に妥当であるかどうかを確認するために、別の専門家に相談することも有効です。
5. まとめ
遺産分割協議書が郵送され、押印を求められるという状況は、相続手続きにおいてよく見られるものですが、その背後には相続人の権利や意向が十分に反映されていない場合があります。弁護士や司法書士が専門家としての役割を果たすためには、相続人全員に対する説明義務や協議内容の透明性が求められます。
また、相続人としては、協議の内容を十分に理解し、自分の権利が尊重されているかどうかを慎重に確認することが重要です。不安や疑問がある場合は、専門家に対して積極的に質問し、納得がいくまで協議を行うことが、スムーズな相続手続きを実現するための鍵となります。専門家と相続人の双方が信頼と透明性を持って協議を進めることで、後々のトラブルを回避し、円満な相続手続きが可能となるでしょう。

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