1. 遺言書が注目される理由

　2024年の相続登記義務化をきっかけに、相続そのものに関心を持つ方が増えました。その中でも「家族がもめないようにしたい」という想いから、遺言書への注目が高まっています。
　遺言は、単なる財産分けの指示だけでなく「自分の気持ちを家族に残す」手段でもあります。

2. 遺言書がないと起こりやすいトラブル

　遺言書がないと、遺産分割協議を相続人全員で行う必要があります。ここで意見がまとまらないと、相続が進まず不動産や銀行口座が宙ぶらりんになることも。
　特に兄弟姉妹が多い家庭や、相続人が県外に散らばっている家庭では、調整が大きな負担になります。

3. 香川県でよくある「家族のもめごと」事例

実家の相続をめぐる兄弟姉妹の対立

　高松市や丸亀市でよくあるのが「誰が実家を相続するか」で意見が割れるケース。住む予定がある人と売却したい人の間で、感情的な対立になることも少なくありません。

農地や山林の扱い

　東かがわ市や小豆島では、農地や山林を相続しても使えないため、誰も引き受けたがらないケースが多発しています。結果として登記が放置され、管理責任だけが残ることになります。

相続登記の放置から広がる混乱

　「そのうち登記しよう」と思っている間に相続人が亡くなり、次の相続が発生。相続人の数が倍以上に増えてしまい、誰の承諾も得られず売却や処分ができなくなる事例が香川県でも見られます。

4. 遺言書の主な種類と特徴

• 自筆証書遺言
  手軽に作れるが、形式不備で無効になるリスクも。法務局の保管制度を利用すると安心。
• 公正証書遺言
  公証人が作成するため、形式的な不備がなく確実。費用はかかるが、もめやすい財産がある場合はおすすめ。
• 秘密証書遺言
  あまり利用されないが、内容を秘密にしたまま効力を持たせたい場合に有効。

5. 「遺言書を書いたほうがいい人」の特徴

• 子どもが複数いる
• 不動産がある（特に実家や農地）
• 再婚している
• 相続人が県外にいる
• 家族関係に不安がある

これらに当てはまる方は、遺言を残すことで家族の安心につながります。

6. 遺言書でできること・できないこと

　できること：財産の分け方指定、遺産分割の方法指定、遺贈、未成年後見人の指定など。
　できないこと：法律を超えた権利の付与、相続税の免除など。

7. 家族が安心できる遺言書の書き方ポイント

• 財産を具体的に書く（例：「ロレックスの時計（シリアル番号○○番）を長男へ」）
• 誰に何を渡すかを明確にする
• 感謝の言葉を添えると、争いの防止につながる
• 専門家にチェックしてもらうことで無効を防ぐ

8. 専門家に相談するメリット

　司法書士や弁護士に相談すれば、形式不備のリスクを避けられ、登記や相続手続きまでワンストップでサポートが可能です。
　香川県内でも「遺言書を作っておけばよかった」と後悔するご家族は少なくありません。準備は早いに越したことはありません。

9. まとめ｜「想い」を形にして家族を守る

　遺言書は財産を分けるための書類以上に、「家族を思う気持ちを残すもの」です。
　香川県で増えている空き家や農地の問題も、遺言で方向性を示すだけで、家族の負担を大きく減らせます。
　残されたご家族に安心を届けるため、まずは一度専門家にご相談ください。

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