香川県の相続手続きで、見落としがちな"落とし穴"に気づいていますか?登記・相続税・遺産分割で後悔しないために、香川県 高松市の司法書士・税理士による無料相談会(毎月第3水曜開催)でプロに相談しましょう。90分対応・完全予約制。
令和6年4月1日相続登記義務化(相続登記を急ぐ意味)

相続登記義務化を控えて、相談件数、ご依頼の件数が増加しております。そんな中で、相続登記を急ぐ意味がよく分からないという方がいらっしゃいました。被相続人の方や相続人の状況によっては一刻を争う事態であることも少なからずありますので、解説していきたいと思います。
目次
1.民法177条の意味
2.遺言・遺産分割協議と債権者の関係
3.まとめ
1.民法177条の意味

民法177条では
「不動産に関する物権の得喪及び変更は、不動産登記法(平成十六年法律第百二十三号)その他の登記に関する法律の定めるところに従いその登記をしなければ、第三者に対抗することができない」と規定されています。
つまり、正当な所有者であることを明示したいのであれば、不動産登記をしなければ第三者に対抗することはできないということです。商業登記(会社法人の登記)は、登記をすることは義務ですが、不動産登記については、現状では義務ではありません。その代わり、所有権を争う第三者が先に登記を具備してしまった場合、もう対抗する手段はないというわけですので、自己の権利主張のために登記を入れなさいというのが建前です。
その結果、第三者をあまり意識する必要のない相続登記について放置しているケースが横行し、結果、東日本大震災の復興において、大きな妨げになったため、今回の相続登記義務化の流れができたと言われています。義務化になっても相続を知ってから3年以内に登記をすれば、罰則である過料はかかりません。それでは、3年間放置しておいても問題ないのかと言われると、実はそうではないケースも多く存在します。
2.遺言と債権者の関係

相続人の債権者(相続人の一人が借金をしている先)がおり、借金も相当額ある場合、債権者には債務を取り立てる正当な権利があります。その場合、代位登記で法定相続分にて相続登記を代位で行い、さらに債務者である相続人の持分を差し押さえることができてしまいます。
特定財産承継遺言(民法1014条2項)、民法改正前に「相続させる旨の遺言」と呼ばれていた遺言です。従前はこの遺言をした場合、第三者が登記を入れた場合でも、遺言で指定されている相続人が所有権の全部を主張できていましたが、現在では変わっております。上記のような状況になった場合、仮に当該不動産全部の遺言指定がなされていたとしても、債権者の登記が先の場合、指定された相続人は債権者に対して、法定相続分の権利しか主張できません。つまり、取り戻すために債権者と交渉し、債務者である相続人の持分を取り戻すしか方法が亡くなります。先に指定相続人が相続登記をしておけば、債権者は代位で相続登記ができません。
相続登記を急ぐ意味は、十分あります。
3.まとめ

このように、状況次第とはなりますが、相続登記を遅らせたために、正当な権利を持つ第三者により登記されてしまいますと、自身の法定相続分の持分の権利しか主張できなくなってしまいます。特定財産承継遺言がある場合には、司法書士に早めの相談をした方がいいと思います。



最新のブログ記事
【第4回】「“正しさ”に振り回されないために」〜自分軸で生きるヒント〜
「何が正しいのか分からない」
「自分の意見を言うのが怖い」
「つい他人の価値観に合わせてしまう」
【第3回】「正論マウント」への対処法〜心をすり減らさないために〜
「正しいことを言っているんだから、受け入れるべき」――そんな態度に心が疲れてしまったことはありませんか?
それは、いわゆる「正論マウント」を取られている状態かもしれません。
(司法書士試験合格への新戦略)学習の再現性を高めるアプローチ
司法書士試験は、法律系資格の中でも特に難易度が高く、合格率も低いことで知られています。多くの受験生が独学や予備校を利用して学習を進めていますが、合格への道のりは決して平坦ではありません。本記事では、従来の学習法とは異なる視点から、司法書士試験の攻略法を探ります。特に、学習の再現性を高める方法や、試験科目の本質的な理解を深める方法について解説します。これから司法書士試験を目指す方や、現在学習中の方にとって、新たな気づきや学習のヒントとなることを目指します。