1．さぬき市で生前対策が重要といわれる理由

　さぬき市は高齢化が非常に進んでおり、「親だけが地元に残り、子どもは高松・県外に住んでいる」という家庭がとても多い地域です。
そのため、次のような状況が典型的に発生します。

• 実家の管理ができない
• 名義が古いままの農地や山林がある
• 親が判断能力を失うと手続きが止まる
• 遠方の子が手続きを進められず、トラブルが長期化

　特にさぬき市は「古い名義の不動産」「農地」「共有名義」が多く、相続が一度起こるだけで名義が複数に増えるため、次の相続がさらに複雑になります。

だからこそ、"元気なうちに整える"ことが未来の負担を減らす最も確実な方法です。

2．さぬき市で実際に寄せられる「生前の悩み」トップ4

　結論からまとめると、地域で多い悩みは以下の4つです。

❶ 実家が将来「空き家」になる

親が亡くなった後、子が継がない・住まないケースが非常に多い地域です。
空き家は以下のリスクを抱えます。

• 管理不全による倒壊リスク
• 草木の繁茂で近隣に迷惑
• 固定資産税の増加（特定空家）
• 売却しようにも名義整理が必要

❷ 共有名義の田畑・山林が放置されている

さぬき市には「先祖代々の土地」が多く、名義が祖父→父→子と複数化しやすい。
放置すると「売れない」「貸せない」「手続きが進まない」状態になります。

❸ 親が認知症になったら財産が動かなくなる

銀行口座、不動産売却、介護費の支払いなど、多くの手続きが「本人の判断能力」が前提です。
認知症で契約が無効になるケースもあり、親の希望を叶えられなくなることもあります。

❹ 子が県外に住んでおり、相続手続きが大変

戸籍の収集・実家の管理・名義変更など、すべての負担が県外の子に集中します。
生前対策によって「事前準備」しておくことで、負担を大幅に減らせます。

3．生前対策の柱となる5つの手段（初めての人向けに整理）

●1. 遺言書

相続時のトラブルを防ぐ最も基本的な対策。

• 誰に何を渡すか
• 実家をどう扱うか
• 特定の人に管理を任せるか

これらを明確にすることで、家族の不安を大きく減らせます。

●2. 家族信託（認知症対策として有効）

財産の管理権限を家族に移し、認知症になっても「家が売れない」「契約ができない」という状態を回避できます。

さぬき市では、

• 実家を売るかどうか未定
• 将来の介護費の支払いが心配
• 子が遠方に住んでいる

などのケースで特に利用されています。

●3. 任意後見契約

財産管理の「将来の後見人」を事前指名できる制度。
公正証書で作成し、いざというとき本人を守る仕組みです。

●4. 生前贈与

相続税対策だけでなく、トラブル防止に有効。
ただし節税目的だけで動くと損をする場合があるため、専門家の判断が必須です。

●5. 不動産の名義整理（相続登記）

相続登記義務化により、名義放置はリスクが急増。
さぬき市では農地・山林の名義が不明瞭な家庭が多いため、今のうちに整理しておくことが重要です。

4．【地域実例】さぬき市で"生前対策して良かった"ケース

　ここでは実際にあった典型的ケースを、個人が特定されない形で紹介します。

★実例1：志度町

遠方の長男夫婦が心配して相談 → 家族信託で実家管理を一本化

• 親は志度町で一人暮らし
• 長男は神戸、次男は東京
• 実家は古く、将来的に売る可能性が高い

→ 家族信託を設定し、長男を「管理者」に指定
→ 認知症後もリフォーム・売却・賃貸が可能なスキームを構築

結果、
「親が判断できなくなっても、長男が柔軟に管理できる」状態が実現。

★実例2：寒川町

農地が先祖代々で名義が4つに分かれていたケース

• 相続を放置していたため名義が複雑化
• いざ売却しようとしたが、全員の署名が必要
• 県外の相続人も多く、連絡がつかない人も

→ 生前対策として遺言＋名義整理を実行
→ 次の世代でのトラブルを未然に解消

★実例3：多和

山林の維持が難しくなる前に、任意後見＋遺言で準備

• 子が遠方で管理ができない
• 親は山林をどう扱うか迷っている

→ 親の意向を聞き、将来の管理方針を明確化
→ 任意後見契約＋遺言で「誰が何をするか」を文書化

5．逆に「生前対策をしなかった」ことで起きた問題例

●ケース1：実家が完全に空き家化

• 売却に1年以上
• 名義整理に半年
• 固定資産税と管理費が増加

●ケース2：認知症で家が売れない

• 成年後見人選任に半年
• 売却できず、介護費が不足

●ケース3：共有名義の土地が結局放置に

• 相続人が全国に散らばり連絡困難
• 放置され草木が繁茂、苦情が複数件

生前対策は「今の労力を少し使うだけで、将来の負担を大幅に減らす」取り組みです。

6．生前対策を始めるためのステップ

まずは次の3つを行うだけで、方向性が見えます。

【結論：最初の3ステップ】

1. 現在の財産・名義・家族状況を整理
2. 将来の希望（住む・売る・貸す）を家族で話し合う
3. 専門家に「どの手段が最適か」だけ相談する

生前対策は「すべてを完璧にする必要はありません」。
まずは方向性を決めることが最重要です。

7．よくある質問（FAQ）

Q1：遺言と家族信託、どちらを優先すべき？

役割が異なるため、両方必要なケースが多いです。
遺言＝死後の分配／家族信託＝生前の管理・処分。

Q2：さぬき市の農地や山林も家族信託できますか？

可能です。農地の場合は農地法の制限があるため、実務経験が重要になります。

Q3：費用はどれくらい？

財産状況により異なります。
初回相談は無料で、必要最小限の提案から始められます。

Q4：遠方の子どもだけで相談できますか？

可能です。オンライン相談・Zoomにも対応しています。

Q5：親がすでに軽い認知症でも生前対策できますか？

軽度であれば可能な場合が多いですが、早めの相談が必須です。

（生前対策のご相談はアイリス国際司法書士・行政書士事務所へ） 

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