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〖香川県・徳島県の生前対策〗認知症による「資産凍結」を未然に防ぐ法務ガイド|香川・徳島での家族信託と預金対策

2025年12月26日

「親の判断能力が衰えてきたが、このまま銀行口座が使えなくなったらどうしよう」 香川・徳島の地元の皆様から、このような将来への不安の声が多く寄せられています。

もし、ご本人の意思確認ができなくなると、たとえ家族であっても預金の引き出しや不動産の売却が法的に制限される「資産凍結」の状態に陥ります。近年、相続発生後の手続きについては法改正で一部柔軟になりましたが、「ご本人が存命中の認知症対策」は、依然として事前の準備がすべてと言っても過言ではありません。

本記事では、司法書士の視点から、認知症による資産凍結のメカニズムと、香川・徳島エリアで今すぐ検討すべき法的な防衛策について専門的に解説します。

目次

  1. 銀行が「口座凍結」を行う法的根拠とリスク
  2. 【注意】改正民法の「預貯金払戻制度」では救われないケース
  3. 認知症になる前に「出口戦略」を立てるべき3つの理由
  4. 家族信託と成年後見、どちらが家庭に適しているか
  5. 香川・徳島での具体的な対策事例と相談窓口
  6. 専門家が答える資産凍結対策FAQ
  7. まとめ

1. 銀行が「口座凍結」を行う法的根拠とリスク

 銀行は、預金者の意思能力(判断能力)が失われたことを知った場合、原則として口座を凍結します。これは、本人の財産が第三者(不適切な親族等を含む)によって勝手に処分されることを防ぎ、銀行側も後々の紛争に巻き込まれるリスクを回避するための法的措置です。

 凍結されると、以下の事態が引き起こされます。

  • 高額な医療費・施設費の支払い不能: 窓口での数百万円単位の振り込みが拒否されます。
  • 実家のメンテナンス・処分不可: 誰も住まなくなった実家を売って介護費用に充てたくても、本人のハンコ(意思表示)がなければ売買契約は成立しません。

2. 【注意】改正民法の「預貯金払戻制度」では救われないケース

 2019年の相続法改正により、遺産分割前でも一定額(最大150万円、計算式:死亡時の預貯金額×1/3×法定相続分)まで引き出せる「預貯金の払戻制度」が新設されました。

 しかし、この制度はあくまで「被相続人の死亡後」に適用されるものです。 本人が認知症で存命中の場合、この制度は一切使えません。つまり、「本人が亡くなるまでのお金」に困るという矛盾が生じるのです。この「存命中の空白期間」を埋めるには、民法改正の恩恵を待つのではなく、自前で「信託」などの仕組みを作っておく必要があります。

3. 認知症になる前に「出口戦略」を立てるべき3つの理由

 何の準備もなく認知症が進行してしまうと、選択肢は極端に狭まります。元気なうちに以下の3点を意識した「出口戦略」が必要です。

  1. 定期預金の「普通預金化」: 定期預金は窓口での本人確認が必須です。あらかじめ出し入れが容易な普通預金へ集約しておくことは、初歩的かつ重要な防衛策です。
  2. 使途の明確化: 誰が、どのお金を、どのような介護のために使うのかを家族間で合意し、できれば書面に残しておく(紛争防止)。
  3. 法的権限の付与: 家族に管理を任せるのか、あるいは公的な後見人をつけるのか、方針を決定する。

4. 家族信託と成年後見、どちらが家庭に適しているか

 資産凍結の解決策として「成年後見」を検討される方が多いですが、最近では「家族信託」を選ぶ方が増えています。

  • 成年後見(法定後見): 認知症になった「後」に利用。裁判所が監督するため、資産を「守る」ことには強いが、積極的な活用や親族への贈与などはほぼ不可能です。
  • 家族信託: 認知症になる「前」に利用。信頼できる家族(受託者)に管理権限を移すため、親がボケた後でも、家族の判断で自宅を売却したり、孫の教育費を出したりと、柔軟な資産管理が継続できます。

 香川や徳島の地元の土地を守り、次世代に円満に引き継ぐためには、家族信託が非常に有効な手段となります。

5. 香川・徳島での具体的な対策事例と相談窓口

 当事務所が香川・徳島エリアでサポートした事例を紹介します。

  • 高松市 A様(80代): 実家を売却して施設入所を検討。家族信託を組成した直後に認知症が進行したが、お子様が受託者として実家をスムーズに売却。売却代金で生涯の施設費用を確保できました。
  • 徳島市 B様(70代): 先祖代々の農地と預金。遺言書と任意後見を組み合わせ、将来の管理体制を構築。

相談窓口の使い分け:

  • 介護保険や日々の見守り:地域包括支援センター(各市町)
  • 成年後見の申し立て:家庭裁判所(高松・丸亀・徳島など)
  • 家族信託・遺言の作成・登記:当事務所など(司法書士・行政書士など相続の法律系の専門家)

6. 専門家が答える資産凍結対策FAQ

Q1. 代理人カードがあれば認知症になっても大丈夫ですか? 

A1. 物理的には下ろせますが、本人が判断能力を失った後で多額の引き出しを行うと、後に他の親族から不当利得として返還を求められるなどの法的リスクが伴います。

Q2. 家族信託の費用はどれくらいかかりますか?

A2. 信託する財産の額や内容によりますが、公証役場の実費や専門家のコンサル費用がかかります。しかし、凍結された後に成年後見人を立てて、毎月数万円の報酬を生涯支払い続けるコストに比べれば、安価に済むケースがほとんどです。

Q3. 徳島(鳴門市)の実家を処分したいのですが、遠方に住んでいます。 

A3. 当事務所は香川・徳島全域に対応しており、Zoom等のオンライン相談も活用しています。現地の法務局(徳島地方法務局等)への登記申請も電子申請で全国対応可能です。

Q4. 任意後見と家族信託は併用できますか?

A4. はい、可能です。金銭や不動産の管理は「家族信託」、身の回りの契約(身上監護)は「任意後見」と、役割を分けることで、より盤石な対策になります。


7. まとめ

 「親のためにできること」は、親御さんが心身ともに健康なうちにしか始められません。認知症というリスクを正しく理解し、凍結される前に法的な手立てを打つことが、結果として家族全員の平穏を守ることにつながります。

 香川県・徳島県で生前対策や相続の準備をお考えの方は、まずは現状の財産構成やご家族の意向を整理することから始めましょう。当事務所が、専門家として伴走させていただきます。


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