【遺言】――長所・短所と留意点
- 長所:死亡後に法的に効力を持つ。公正証書遺言であれば無効リスク・紛失リスクが低い。
- 短所:遺言だけでは「生前の管理」はできない。相続税対策は別途検討が必要。
【家族信託】――実務での典型用途
- 用途例:賃貸不動産の管理、介護費の支払い、空き家の管理委託、農地の管理など。
- 注意点:受託者(管理を任せる人)選びと契約書の厳密な設計が重要(第三者を監督者に置く方法も検討)。
【任意後見】――いつ・誰に使うか
- 用途:本人に判断能力が低下した場合の財産管理・身上監護を任せる。
- 留意点:公証人役場で契約を締結し、契約発効後に家庭裁判所を通じた監督が入る場合があります。
(実務ポイント)これらは単独で使うより併用が現場では有効です。例えば、元気なうちに家族信託で管理を始め、判断能力低下時に任意後見を発効させる、といった流れが実践されています。
4. まんのう町でよくある相談ケース(リアル事例と解説)
事例A:実家は残したいが子が県外にいるケース
問題点:子が頻繁に帰省できず管理ができない → 空き家化・固定資産税負担増
解決策:家族信託で管理を委託し、賃貸収入を介護費に充てる設計。遺言で受益者を指定しておく。
事例B:共有名義の農地が複数世代に分散しているケース
問題点:名義が古く、相続人が増えるほど分割困難。
解決策:事前に売却・分割方針を整理し、遺言で処分方法を明記。可能ならば生前贈与で整理(税務面は税理士と要協議)。
事例C:判断能力が心配な一人暮らし高齢者
問題点:銀行口座の凍結、入院時の財産管理ができない。
解決策:任意後見契約+死後事務委任契約で、介護・費用支出・葬儀手続きまで含めたワンストップ設計を構築。
これらの事例は、まんのう町の実態(高齢化・空き家率の上昇)と直接結び付きます。早めの相談で負担を大幅に軽減できます。
5. FAQ