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【第4回】相続人に話が通じない人がいる場合の対応法 ~遺産分割協議の行き詰まりを解消する調停・審判の活用法~

相続手続きにおいて「遺産分割協議」がスムーズに進まないケースは少なくありません。とくに相続人の中に話し合いに応じない人や、意思疎通が難しい人がいる場合には、協議が成立せず、相続がストップしてしまいます。本記事では、そうしたケースでどのように対応すればよいのか、家庭裁判所を活用した「調停」や「審判」の制度について、実務的な視点から詳しく解説します。
■目次
- 話が通じない相続人とはどのような人か
- 遺産分割協議が成立しないとどうなる?
- 家庭裁判所を活用する2つの方法:調停と審判
- 遺産分割調停の手続きと流れ
- 調停が不成立になった場合はどうなる?
- 意思能力のない相続人がいる場合の対応(成年後見)
- 専門家に相談することのメリット(CTA)
1. 話が通じない相続人とはどのような人か

相続人同士の関係が希薄で連絡が取れないケース、もしくは連絡が取れても協議に非協力的なケースは珍しくありません。たとえば以下のような相続人が該当します:
- 何年も音信不通だった兄弟
- 感情的に対立しており、話し合いに応じない親族
- そもそも遺産分割に興味がなく、反応が鈍い相続人
- 認知症などで意思表示ができない高齢の相続人
このような場合、遺産分割協議書が全員分揃わないため、名義変更などの手続きが一切できなくなります。
2. 遺産分割協議が成立しないとどうなる?

相続手続きにおいては、法定相続人全員の同意が必要です。たとえ一人だけでも署名や押印が欠けていれば、協議書は無効となり、以下のような事態に陥ります:
- 不動産の登記ができない
- 預金口座の解約・分配ができない
- 相続税申告期限に間に合わないリスク
- 他の相続人との間で争いが激化
こうした状況を避けるために有効なのが、家庭裁判所の調停・審判制度の活用です。
3. 家庭裁判所を活用する2つの方法:調停と審判
協議が成立しない場合、相続人の一人が**家庭裁判所に「遺産分割調停」**を申し立てることができます。これは、裁判官と調停委員が間に入り、相続人同士の合意形成をサポートする制度です。
仮に調停がまとまらなくても、最終的には遺産分割審判に移行し、裁判所が法的判断により分割方法を決定してくれます。
4. 遺産分割調停の手続きと流れ
調停の主な流れは次のとおりです:
- 管轄の家庭裁判所に申立書を提出(主に被相続人の最後の住所地)
- 相続人全員に呼出状が送付される
- 初回調停期日で、各自の主張を確認
- 必要に応じて不動産評価や資料収集が行われる
- 合意に達すれば「調停調書」が作成され、これは判決と同じ効力を持つ
調停には通常2~6回程度の期日がかかるため、数か月~1年ほどの期間を見込んでおくことが重要です。
5. 調停が不成立になった場合はどうなる?
調停でも合意が得られなかった場合、自動的に遺産分割審判へと移行します。審判では、裁判官が当事者の主張や資料を基に、法定相続分や特別受益などを踏まえて具体的な分割方法を決定します。
審判においては、以下のような判断が下されることがあります:
- 相続分に応じた現物分割
- 不動産を売却して金銭を分ける換価分割
- 特定の相続人が取得し、代償金を他の相続人に支払う代償分割
審判結果には不服申し立ても可能ですが、時間的・金銭的コストがかさむことに留意しましょう。
6. 意思能力のない相続人がいる場合の対応(成年後見)
相続人の中に認知症や精神障害などにより意思能力が欠けている人がいる場合、そのままでは遺産分割協議ができません。このようなケースでは、家庭裁判所に後見人や保佐人を選任してもらう必要があります。
後見人が選ばれると、その人が本人の代わりに遺産分割協議に参加できますが、以下のような制限があります:
- 他の相続人と利害が対立する場合、特別代理人の選任が必要
- 分割内容が本人にとって不利でないか家庭裁判所の審査対象になる
つまり、意思能力がない人を含む相続では、慎重な対応と手続きが必須です。

7. 専門家に相談することのメリット(CTA)
相続人同士で話し合いが困難な場合、解決までに時間と労力がかかります。「調停や審判ってどうやるの?」「後見人って誰に頼めばいいの?」といった不安がある方は、早い段階で司法書士などの専門家に相談することをおすすめします。
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次回は第5回「遺産分割後にトラブルが発生したらどうする?~やり直し・無効・遺留分の主張まで~」をお届け予定です。お楽しみに!
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