農地を貸し出す際には、次の点に注意が必要です:
- 【契約内容の明確化】
口約束ではなく、書面で契約内容を明示すること
- 【賃料の取り決め】
地域の相場を参考に設定し、金額・支払時期を明記
- 【契約期間】
短期よりも長期契約の方が農業者側のメリットが大きい
- 【管理責任の所在】
境界トラブルや災害時の責任分担も事前に明文化しておく
また、賃料を「無償」とする場合にも、農地法の許可・届出は必要になることを覚えておきましょう。
6. 「貸す」か「売る」か判断の基準とは?
相続した農地の将来について「貸すか売るか」迷ったときは、以下の観点で考えるとよいでしょう。
- 将来的に農地を自分や家族が使う予定があるか?
- 売却が可能な地域かどうか(都市計画区域など)
- 買い手が見つかる見込みはあるか?
- 貸すことでの収益や社会的貢献をどう評価するか?
特に「すぐには売れない」「誰に売ればよいか分からない」といった場合には、貸すことで時間的猶予を得ることも有効です。
7. まとめ:農地を活かす選択を
相続した農地に手をつけずにいると、草が生い茂ったり、近隣からの苦情が出たりと、管理リスクが高まります。
けれど「貸す」という手段を取れば、農地は社会に貢献しながら、持ち主にとっても利益をもたらす存在になります。
特に農地バンクを活用すれば、煩雑な手続きの多くを任せられ、実質的に放置せずに済むのです。
次回(第5回)は、どうしても売れない・貸せない農地に対して取れる"出口戦略"についてご紹介します。