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【第2回】遺贈寄付のやり方と注意点~遺言書の書き方から受け入れ団体の選び方まで

「遺贈寄付をしたいけれど、実際にはどうやって進めたらいいの?」
こうした声が増えてきています。遺贈寄付は、自分の財産を社会貢献に役立てる手段として注目されていますが、実現するには正確な遺言書の作成と適切な受け入れ団体の選定が必要です。
また、手続きの途中で専門家の関与が求められることもあり、自己判断だけではリスクを伴うケースもあります。今回は、遺贈寄付の具体的な進め方、必要な書類、注意すべき法律上のポイントなど、実務に即した内容を詳しく解説します。
■ 目次
- 遺贈寄付を実行するための2つの方法
- 遺言書の作成時に必要なこと
- 受け入れ団体の選び方と確認ポイント
- 実務上の流れと専門家の関与
- 注意すべきトラブルとリスク
- まとめ:遺贈寄付を実現するには「準備」と「確認」がカギ
1. 遺贈寄付を実行するための2つの方法

遺贈寄付を行うには、基本的に**「遺言書に寄付の内容を書く」**ことが必要です。方法としては、大きく以下の2つに分かれます。
(1)遺贈(いぞう)としての寄付
遺言書に「○○団体に金○百万円を遺贈する」と記載する形式です。遺贈は相手方の承諾が必要で、団体側が受け入れを拒否することもできます。
(2)死因贈与契約
これは生前に寄付先と契約書を交わしておく方式です。契約であるため互いの合意が前提となり、遺言とは異なる性質を持ちます。
実務では、一般の方にとって扱いやすいのは「遺言による遺贈」です。ただし、内容に不備があると無効になる可能性もあるため、後述する注意点を理解しておく必要があります。
2. 遺言書の作成時に必要なこと
遺贈寄付を実現するための遺言書には、次の点を明確に記載する必要があります。
- 寄付する相手の正式名称・法人格(例:公益財団法人〇〇)
- 寄付の対象(現金、不動産、有価証券など)
- 寄付の割合や金額(例:全財産の30%)
- 受遺者が寄付を受けられない場合の予備的な処理方法(例:別団体に移す)
また、形式的にも「自筆証書遺言」よりも、「公正証書遺言」が安全です。自筆証書遺言は形式ミスで無効になるケースが多いため、専門家に相談しながら作成することを強く推奨します。
3. 受け入れ団体の選び方と確認ポイント
遺贈寄付では、「どこに寄付するか」も非常に重要です。団体の理念や活動内容が自分の思いと一致しているか、以下の点をチェックしておきましょう。
- 法人格を持っているか(任意団体には渡せない)
- 受遺の意思を示しているか(公式サイトなどで確認)
- 過去の寄付の使い道が明確か(報告書の公開状況)
- 税制優遇の対象団体かどうか(公益認定法人など)
最近は、「遺贈寄付に特化した窓口」を用意している団体も増えています。電話やオンラインで相談ができるところも多いため、事前に意思疎通を図っておくと安心です。
4. 実務上の流れと専門家の関与

遺贈寄付を円滑に進めるためには、司法書士・弁護士・税理士などの専門家の支援が不可欠です。とくに以下のような場面で関与が必要になります。
- 遺言書の作成時(公証人との連携)
- 不動産・有価証券の名義変更(司法書士)
- 相続税申告・控除判断(税理士)
- 相続人との調整・説明(弁護士や信託業者)
また、遺贈執行者の選任も大切です。これは、実際に遺贈寄付を実行してくれる代理人のような立場で、遺言の執行を担います。自分の死後、遺志をしっかり形にしてくれる信頼できる人物や専門家に依頼することが望まれます。
5. 注意すべきトラブルとリスク

遺贈寄付は善意に基づく行為ですが、下記のようなトラブルが起こることもあります。
(1)相続人とのトラブル
遺贈によって相続財産が減ると、「遺留分侵害」として相続人から異議申し立てされる可能性があります。とくに、すべてを寄付する場合は慎重な判断が必要です。
(2)受遺者の受け入れ拒否
団体が破綻した、または受け入れ態勢が整っていないなどで、寄付を拒否されるケースもあります。その場合、財産が宙に浮くリスクもあるため、予備的な寄付先を設定しておくのが安全です。
(3)団体の信頼性に問題がある
中には、会員組織や民間団体の中で内部資格を設け、「相談料ビジネス」に誘導する例も見られます。寄付金が適切に使われないリスクもあるため、慎重な団体選びが不可欠です。
6. まとめ:遺贈寄付を実現するには「準備」と「確認」がカギ
遺贈寄付は、故人の思いを社会に残す素晴らしい手段ですが、適切な準備と専門的な確認が不可欠です。
遺言書の作成、受け入れ団体との事前調整、遺贈執行者の選任など、どの工程も「生前にこそ」進めておくべき重要なステップです。

次回(第3回)は、こうした制度の拡大とともに問題視され始めた「遺贈寄付をめぐる制度的な課題」や、「業界内での資格ビジネス化」について掘り下げていきます。
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