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【第1回】暦年贈与はもう古い?税制改正で見直す贈与の考え方

2024年(令和6年)1月1日より、贈与税に関する制度が大きく見直されました。これまで生前贈与の王道とされてきた「暦年贈与制度」に対し、税制改正によって新たな制限が加わり、相続時精算課税制度が再評価されつつあります。
「これからは贈与の時代だ」「生前贈与で税負担を軽減しよう」といった声が聞かれた一方で、今回の法改正により、むしろ"安易な贈与"がリスクになるケースも。
この記事では、司法書士の視点から、贈与制度の変更点をわかりやすく解説し、今後どのように生前対策を考えていくべきかの基本的な考え方をお伝えします。
生前対策のシリーズ第一弾として、まずは「暦年贈与」と「相続時精算課税」の違いや、改正内容のポイントを押さえておきましょう。
■目次
- 暦年贈与制度とは?
- 令和6年の税制改正のポイント
- 相続時精算課税制度の再注目
- なぜ制度は変わったのか?
- 贈与はもうしない方がいいのか?
- まとめ:制度を知り、選択肢を持つことが重要
- 無料相談のご案内(CTA)
1. 暦年贈与制度とは?

暦年贈与とは、1年間(1月1日~12月31日)の間に、贈与を受けた金額が110万円以下であれば贈与税がかからないという制度です。
長年にわたり「毎年少しずつ贈与をして相続財産を圧縮する」という節税方法として多く利用されてきました。特に不動産や株式のような分割しづらい財産を抱える家庭では、手軽な生前対策として定番でした。
2. 令和6年の税制改正のポイント
今回の改正で、「持ち戻し期間」が3年から7年に延長されました。これは、亡くなる前7年間に贈与された財産については、相続財産に"戻して"課税するという制度です。
つまり、亡くなる直前に贈与をしても、「贈与したことにならない」可能性が高くなったのです。これにより、長期的・計画的に贈与を進めない限り、節税効果が薄れるようになりました。
3. 相続時精算課税制度の再注目

一方で、これまであまり使われてこなかった「相続時精算課税制度」が見直されています。
この制度は、60歳以上の親から18歳以上の子への贈与において、2,500万円まで贈与税が非課税となる制度です。ただし、相続時にはすべてを加算して相続税を再計算します。
2024年の改正により、この制度でも年間110万円までの非課税枠が新設されました。これにより、小口の贈与にも活用できるようになりましたが、一度選択すると暦年贈与に戻れないという注意点があります。
4. なぜ制度は変わったのか?
背景には、「格差の固定化」や「資産移転の時期が遅すぎる」という課題があります。国としては、若い世代への早期の資産移転を促し、経済の活性化を図りたいという意図があります。
また、富裕層による過度な節税スキームの防止も目的のひとつです。これにより、「単に暦年贈与を繰り返すだけの相続対策」は、ますますリスクをはらむことになります。
5. 贈与はもうしない方がいいのか?

いいえ、そうではありません。大切なのは、「制度を理解して、目的に合った方法を選ぶこと」です。
たとえば、
- 相続税を抑えたいなら…長期的なプランニングが不可欠
- 認知症リスクに備えたいなら…家族信託などの活用も視野に
- 争続を防ぎたいなら…遺言書の作成や遺留分対策が有効
つまり、「贈与=万能」ではなくなった今、他の手法と組み合わせてバランスの良い対策を講じることが求められています。
6. まとめ:制度を知り、選択肢を持つことが重要
今回の改正により、「何となく毎年110万円贈与しておけばいい」という時代は終わりました。しかし、それは悲観することではなく、より本質的な"家族の在り方"を見つめ直すきっかけでもあります。
次回からは、贈与に代わるさまざまな生前対策を個別に深掘りしていきます。ぜひご自身やご家族の状況に照らし合わせながらお読みいただければ幸いです。

7. 無料相談のご案内(CTA)
生前対策は、誰にでも必要になる「未来の準備」です。
「自分のケースではどの制度が合っているのか知りたい」「遺言や信託も含めた対策を考えたい」とお考えの方は、ぜひ一度、当事務所の無料相談をご利用ください。
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アイリス国際司法書士・行政書士事務所
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