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【第1回】え?こんなところにも遺産が? 相続における“財産の見える化”の難しさ

2025年10月07日

「相続が発生したら、まずは財産の確認から」と聞いたことはありませんか?
実はこの「遺産の確定」という作業こそが、相続手続きの中でもっとも時間がかかり、かつ、つまずきやすいステップです。

被相続人(亡くなった方)の財産は、預金や不動産のようにすぐに分かるものだけでなく、生命保険、株式、仮想通貨、さらには貸金庫や海外資産まで多岐にわたります。しかも、その存在を相続人が知らなければ「ないもの」として扱ってしまうことも。

本記事では、相続における「財産の調査と把握」がなぜ難しいのか、どのような落とし穴があるのかを解説します。
相続手続きで後悔しないためにも、知っておきたいポイントを整理してお伝えします。

目次

  1. 遺産確定の第一歩は「全体像の把握」
  2. 財産の種類はこんなにある
  3. "名義"と"実質"のズレがトラブルの火種に
  4. 情報が埋もれているケースとは?
  5. 財産調査をスムーズに進めるコツ
  6. まとめ:相続は"可視化"から始まる
  7. 【CTA】相続に関するご相談はお早めに

1. 遺産確定の第一歩は「全体像の把握」

 遺産分割や相続税申告など、相続手続きの前提となるのが「相続財産の全体像を把握すること」です。
 どのような財産があるのか、どこにあるのか、どのくらいの価値があるのか。これが分からないと手続きを進めることができません。

 しかも、相続人が複数いる場合には、情報共有の有無や温度差によってトラブルになることもしばしばです。

2. 財産の種類はこんなにある

 財産というと、預金や土地建物を思い浮かべがちですが、実際にはもっと多様です。以下に代表的な財産の例を挙げます。

  • 銀行預金(複数の銀行にまたがるケースあり)
  • 不動産(土地、建物、未登記のものも含む)
  • 株式・投資信託・債券
  • 生命保険・損害保険の解約返戻金
  • 自動車・貴金属・骨董品などの動産
  • 仮想通貨(暗号資産)
  • 海外にある資産(口座・不動産)
  • 貸金庫の中身
  • 貸付金(被相続人が他人にお金を貸していた場合)

 ここに書かれていない「権利」や「未請求の年金・給付金」などもあり、調査には時間がかかります。

3. "名義"と"実質"のズレがトラブルの火種に

 相続トラブルでよくあるのが、「名義預金」や「名義株式」の問題です。

 たとえば、被相続人が自分の子の名義で預金していた場合、銀行口座の名義人は子ですが、実質的には被相続人の財産であるため、相続財産に含まれる可能性があります。

 また、昔のまま放置された株式や、他人名義になっている不動産など、表面上の名義と実質の持ち主が異なる場合には注意が必要です。
 これらのズレを調べ、必要に応じて相続財産として組み込むには専門的な判断が求められます。

4. 情報が埋もれているケースとは?

 被相続人が高齢だったり、整理整頓が苦手だった場合、財産に関する情報が家の中に埋もれていることも少なくありません。

  • 通帳が見つからない
  • インターネットバンキングのID・パスワードが分からない
  • 株式の取引報告書が何年も前のまま
  • 保険証券がバラバラに保存されている

 こういった状況では、「財産があるのに気づかれない」ままになってしまい、最終的に誰も受け取らずに失効することもあります。

5. 財産調査をスムーズに進めるコツ

 遺産調査をスムーズに進めるためには、次のような手順を取るとよいでしょう。

  • 郵便物を1〜2か月分保管して確認
  • 自宅の書類を徹底的に整理・確認する
  • 金融機関へ取引照会をする(相続人であれば可能)
  • 法務局で不動産の登記事項証明書を取得
  • 信託銀行や証券会社への照会も忘れずに
  • 貸金庫の有無を確認する(遺言書が保管されていることも)

 可能であれば、生前から財産目録を作っておくことが理想ですが、突然の相続ではこのような現地調査的な対応が求められます。

6. まとめ:相続は"可視化"から始まる

 「見える財産」だけが相続財産ではありません。
 むしろ、"見えない財産"をどうあぶり出し、証拠をもとに確定していくかが、遺産分割の成否を分ける鍵になります。

 財産を正確に把握できれば、相続人同士の納得感も高まり、争いを避けることができます。
 そのためにも、「財産を見える化する」という意識をもって相続に臨むことがとても重要なのです。

7. 【CTA】相続に関するご相談はお早めに

 遺産調査は時間との勝負です。
 「何から手を付ければいいか分からない」「親の財産が不明なまま亡くなった」など、お困りのことがあれば、相続の専門家である司法書士がご相談を承ります。

アイリス国際司法書士・行政書士事務所
司法書士・行政書士 橋本大輔
▶ 電話:087-873-2653
▶ メール:irisjs2021@gmail.com
▶ お問い合わせフォーム:[https://www.irisjs2021.com/]

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