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(論点)相続登記を放置すると、なぜ大変になるのか1

2024年05月20日

相続登記を放置することによるリスクは、令和6年4月1日に施行された相続登記義務化の罰則である、最大10万円以下の過料だけではありません。最近の相談内容でも、長期間放置したことによる手続きの停滞など、余儀なくされている事例をよく見ます。それでは、お話をしていきたいと思います。

目次

1.相続登記をするために必要な手続き

2.放置している間に相続人が亡くなると

3.相続人が海外居住している場合

4.まとめ


1.相続登記をするために必要な手続き

 相続が発生した場合、「遺産の確定」と「相続人の確定」が必要となります。

(遺産の確定)

 遺産は、現預金、有価証券、生命保険などについては、通帳や定期的に郵送される郵便物などから、判明します。一方で、不動産の場合には、同一市区町村内であれば、市役所や役場で「固定資産評価証明書」を取得することにより、不動産を探し出すことができます。

(相続人の確定)

 こちらは、亡くなった方の生まれてから亡くなるまでの戸籍・除籍謄本を取得し、その方の配偶者、子供を確認することができます。そして、相続人の現在戸籍と当該不動産を引き継ぐ相続人の住民票が必要となります。

 法定相続分で引き継ぐ場合には、法定相続分の持分で不動産の名義の変更を実施することになりますが、相続人の一人に引き継がせる場合には、生前に遺言書がある場合か遺産分割協議を経なければ、することができません。将来、当該不動産の売却を考えている場合には、地元に残っている相続人の方名義にしておき、その方と買主との間で売買契約を締結することになります。亡くなった方(不動産の名義)の遺言書がなければ、「相続人全員」で遺産分割協議をし、その内容を遺産分割協議書に取りまとめて、各相続人が署名、実印での押印と相続人全員の印鑑証明書を添付することにより、相続登記に必要な遺産分割協議書が完成します。

2.放置している間に相続人が亡くなると

 相続人の確認に必要な書類の概要について、上記で述べていますが、実際、相続人の中にすでに亡くなっている方がいた場合、どのようになるのでしょうか?

 その場合、相続人だった方の生まれてから亡くなるまでの戸籍、除籍謄本が必要となります。例えば、父親で発生した父親の遺産を受け取る権利は、子である相続人が取得することになります。そして、その子である相続人が亡くなってしまった場合、その子の相続人全員に承継されることになります。(数次相続の場合)

 こういった事情が一人二人ならさほど負担にはならないと思いますが、その方に離婚歴があり、前の妻との間に子供がいた場合どのようになるのかと言いますと、その方も今回遺産分割をするために必要な相続人となります。遺産分割協議の大前提は、相続人全員で行うことです。少し雲行きが怪しくなってきたことがわかると思います。

3.相続人が海外居住している場合

 また、すでに外国に居住されている方が相続人の中にいた場合、国によっては「印鑑証明書」のないケースが存在します。印鑑証明書が取得できないケースでは、外国の日本領事館等でサイン証明を受ける必要があります。

 日本領事館が近くにあったり、交通の便がいい場合には、その相続人の方の負担は軽減されますが、行くまでに命がけといった場合もあります。

4.まとめ

 今回は、一般的な相続登記に必要な書類等について、お話をしてきました。

 必要書類の説明をすると、「なーんだ、それだけ?」と言われる方もいますが、相続人の状況や長年放置することにより、次第に相続登記で名義の変更をするというゴールへのハードルが一気に高くなってきます。

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海外に長期居住している場合、日本での住民票及び印鑑証明書は抹消されます。遺産分割協議については、相続人全員の参加と遺産分割協議書には、署名及び実印による押印が要求されます。しかし、相続人の一人が海外居住者だった場合、「印鑑証明書」は取得できません。この場合に使用する「署名証明書(サイン証明書)」が必要となりますが、手続き・種類について解説したいと思います。

2021年に改正された民法および不動産登記法により、日本では相続登記が義務化されました。この制度は2024年4月1日から施行されており、相続による不動産の登記が義務付けられています。相続登記の義務化は、不動産の所有者不明問題を解消し、透明性を高めることを目的としていますが、その一方でいくつかの問題点も指摘されています。以下に、その主要な問題点について詳述します。