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(論点)相続放棄をする場合、遺品を処分することのリスク

相続放棄を検討している場合、被相続人(亡くなった人)の遺品整理や賃貸アパートの解約を行うことには、注意すべき重要な問題点がいくつか存在します。相続放棄は、被相続人の財産や負債を一切相続しない意思を表明する手続きですが、その際にどのような行動を取るかによって、意図せず相続を承認してしまう可能性があるのです。ここでは、その問題点について具体的に説明します。
目次
1. 遺品整理や財産管理のリスク
2. 賃貸アパートの解約における問題点
3. 限定的な行動の推奨
4. 相続放棄の手続き前に専門家への相談を
5. まとめ
1. 遺品整理や財産管理のリスク

相続放棄を決意した場合、原則として被相続人の財産に関与する行為は慎重に行う必要があります。遺品整理は、故人の所有物を整理する行為ですが、これが法律上の「相続財産の管理行為」と見なされる場合があるのです。相続財産の管理を行ったと判断されると、相続放棄をしてもその行為が相続を「単純承認」したと解釈され、放棄が無効になる可能性があります。
たとえば、故人の財産や借金を整理するために遺品を売却したり、現金や銀行口座から引き出すような行為を行うと、それが相続人としての財産管理とみなされる恐れがあります。つまり、遺品整理を行う際は、慎重に内容や行為の範囲を考えないと、結果として相続を承認したと見なされる可能性があるため、相続放棄が無効になるリスクが生じるのです。
2. 賃貸アパートの解約における問題点
被相続人が賃貸アパートなどに住んでいた場合、その契約をどう処理するかも大きな問題となります。賃貸契約の解約手続きを相続放棄前に行った場合、賃借契約の権利や義務を引き継いだと解釈される可能性があります。これは、賃貸契約を「相続財産の一部」と見なして、解約手続きを行うことが相続の承認と判断されるリスクがあるからです。
具体的には、相続放棄の意思を表明しているにもかかわらず、相続人として賃貸契約を解約し、部屋を明け渡したり、保証金の返還請求を行ったりする行為は、相続を承認した行為と見なされる可能性があるため、注意が必要です。賃貸契約に関連する事項に関しては、放棄の意思を明確にする前に、弁護士などの専門家に相談することが重要です。
3. 限定的な行動の推奨

相続放棄を検討している間に、どうしても一定の管理行為を行わざるを得ない場合もあります。その場合は、法定相続人としての行為ではなく、あくまで「保存行為」や「緊急措置」としての行動に留めるべきです。保存行為とは、相続財産の価値を減少させないための行為を指します。たとえば、被相続人の財産を荒らされないように施錠する、郵便物を一時的に受け取るなどの行動は保存行為に当たる可能性が高いです。
また、緊急措置としては、故人が住んでいたアパートで漏水や火災などが発生した場合に、被害を防ぐために応急的に修理を依頼する行為などが挙げられます。こうした行為は、財産管理ではなく、財産を守るための必要最小限の措置と見なされる可能性があります。しかし、これらの行為を行う際も、相続を放棄する意思があることを明確にしておくべきです。
4. 相続放棄の手続き前に専門家への相談を
相続放棄をする際には、法律的な知識がない状態で行動を取ることは非常に危険です。遺品整理や賃貸アパートの解約といった行為は、相続放棄の意思がある場合、極めてデリケートな問題を伴います。相続放棄をしたいと考えている場合は、まず専門家に相談し、相続財産や借金についての情報を把握し、その上で放棄の手続きを進めることが重要です。専門家に相談することで、法律的なアドバイスを得られ、どのような行為が相続放棄を無効にするリスクがあるかを理解することができます。
たとえば、司法書士や弁護士は、相続放棄を円滑に進めるための手続きを支援するだけでなく、放棄の意思を明確にしつつ、相続財産の管理を慎重に行うためのアドバイスも提供してくれます。また、裁判所への相続放棄の申述書を作成する際にも、財産や負債の範囲を確認し、適切な手続きを取ることで、後のトラブルを防ぐことができるでしょう。
5. まとめ
相続放棄を行う際には、被相続人の遺品整理や賃貸アパートの解約をすることが、相続の承認とみなされるリスクがあるため、慎重に対応する必要があります。相続放棄の意思がある場合は、遺品整理や契約の解約などの財産管理行為を極力避け、あくまで保存行為や緊急措置に留めることが推奨されます。相続放棄を進める際には、専門家に相談し、法律的なアドバイスを受けながら適切な手続きを行うことが、相続放棄を確実にするための最善の方法です。

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