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(論点)生前贈与で利用できる節税方法

生前贈与は、相続税の節税対策として効果的な手段です。財産を生前に贈与することで、相続時の課税対象となる財産を減少させ、相続税負担を軽減できます。ここでは、代表的な節税方法をいくつか紹介します。
目次
1. 贈与税の基礎控除
2. 相続時精算課税制度
3. 教育資金の一括贈与制度
4. 結婚・子育て資金の一括贈与制度
5. 住宅取得資金の贈与税非課税制度
6. 生命保険を利用した贈与
結論
1. 贈与税の基礎控除

毎年利用できる贈与税の基礎控除額は、1人当たり年間110万円です。これを「暦年贈与」といい、親や祖父母が子や孫に毎年110万円以下の金額を贈与すれば、贈与税は課されません。この方法を長期間継続することで、相続財産の額を段階的に減らすことができ、相続税の節税効果が期待できます。
ただし、この暦年贈与には注意が必要です。相続開始前の3年間に行われた贈与については、相続財産に含まれ、相続税の対象となります。つまり、贈与があまりに直近だと、節税効果が減少する可能性があるため、計画的な贈与が重要です。
2. 相続時精算課税制度
相続時精算課税制度は、60歳以上の親や祖父母が、20歳以上の子や孫に対して贈与を行う際に利用できる制度です。この制度を利用すると、2,500万円までの贈与について贈与税が非課税となります。2,500万円を超える部分には、一律20%の贈与税がかかりますが、贈与を受けた財産は、相続時に贈与時の評価額で相続財産に組み込まれます。
この制度の利点は、2,500万円までの大きな贈与が非課税になる点ですが、デメリットとして、相続時にその贈与が再計算されるため、最終的な相続税の負担が増える可能性があります。また、いったんこの制度を選択すると、その後の贈与もすべて相続時精算課税制度の対象となり、暦年贈与の基礎控除が使えなくなるため、慎重な判断が求められます。
3. 教育資金の一括贈与制度

祖父母が孫に対して教育資金を一括で贈与する際に利用できるのが、教育資金の一括贈与制度です。この制度では、贈与された金額が1,500万円まで非課税となります。贈与された資金は、授業料や塾の費用など教育にかかる支出に充てることができます。ただし、孫が30歳になるまでに使い切れなかった残額は贈与税の課税対象となります。
この制度は、子や孫の教育費用を早めに準備することで相続財産を減らし、相続税を節税する有効な手段となります。しかし、教育資金の贈与はその使途が厳密に制限されており、適切な使い道でない場合は贈与税が課せられるため、利用には注意が必要です。
4. 結婚・子育て資金の一括贈与制度
結婚や子育てにかかる資金を贈与する際に利用できる制度です。この制度では、1,000万円までの贈与が非課税となります。結婚費用には300万円までの制限があり、残りは子育て資金として使うことができます。この資金は、結婚費用、出産費用、育児費用、保育費用、学童費用など、幅広い目的に使用できるため、利用の幅が広いのが特徴です。
ただし、贈与を受けた子が50歳までに使い切らなかった場合や、贈与者が亡くなった際には、残額が相続税の課税対象となります。また、使い道が限られているため、他の目的で使用することはできません。
5. 住宅取得資金の贈与税非課税制度
住宅購入のために資金を贈与する場合に利用できる制度です。この制度では、贈与を受けた人が新築や住宅の購入、増改築を行う際に、一定の条件を満たせば、最大1,000万円(消費税率により異なる)が非課税となります。この制度を活用することで、贈与税を負担せずに多額の資金を生前贈与することが可能となり、相続財産の減少に繋がります。
ただし、適用には厳しい条件があり、贈与を受けた者の年収制限や住宅の取得目的など、細かな要件を満たす必要があります。加えて、この制度も相続時精算課税制度と同様に、一度適用を選択すると他の贈与税非課税制度を利用できなくなる場合があるため、適用前に十分な確認が必要です。
6. 生命保険を利用した贈与
生命保険を活用することも、節税対策として有効です。被相続人が保険契約者となり、子や孫を受取人に指定して生命保険に加入することで、相続財産の一部を生命保険金という形で非課税で渡すことが可能です。生命保険には「500万円×法定相続人の数」までの非課税枠があるため、この枠を利用することで大きな節税効果が期待できます。
さらに、保険料を贈与として毎年少額ずつ渡すことで、贈与税の基礎控除も活用できます。この方法により、相続発生時にまとまった額を非課税で相続人に渡すことが可能となります。
結論
生前贈与を活用した節税対策は、相続税の負担を軽減するための重要な手段です。特に、毎年の暦年贈与や相続時精算課税制度など、計画的に利用することで、相続財産の減少が期待できます。また、教育資金や住宅取得資金など、目的に応じた非課税制度を活用することも有効です。ただし、各制度にはそれぞれ適用条件や制限があり、誤った利用は逆に税負担を増やす可能性があるため、事前に税理士のアドバイスを受けることを推奨いたします。

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