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(論点)会社の代表者が亡くなった場合の相続の注意点

会社の代表者が亡くなった場合、法人の株式の相続は複雑で重要な手続きとなります。以下に、株式の相続について考慮すべき主要なポイントを5つに分けて説明します。
目次
1. 株式の評価と相続税
2. 会社の経営権の継承
3. 相続による会社の安定性の確保
4. 株式の譲渡制限と承認手続き
5. 専門家のサポート
6. まとめ
1. 株式の評価と相続税

株式の評価は相続税を計算するために重要です。株式の評価方法には以下のようなものがあります。
評価方法
上場株式:市場価格に基づいて評価されます。亡くなった日の終値、またはその前後1ヶ月の平均値などが基準となります。
非上場株式:評価が難しく、国税庁の「財産評価基本通達」に基づいて評価されます。主な評価方法には「類似業種比準方式」や「純資産価額方式」があります。
相続税の計算
株式の評価額が確定したら、それを基に相続税が計算されます。相続税の申告と納付は、被相続人が亡くなった翌日から10ヶ月以内に行う必要があります。
2. 会社の経営権の継承
株式を相続することで、会社の経営権も相続されることがあります。これにより、会社の経営に大きな影響を与える可能性があります。
経営権の移行
遺言の確認:被相続人が遺言を残している場合、その内容に従って株式が分配されます)。
遺産分割協議:遺言がない場合、相続人全員で遺産分割協議を行い、株式の分配方法を決定します。
株主総会:株式の相続が確定した後、新しい株主は株主総会で承認を受ける必要があります。
3. 相続による会社の安定性の確保
株式の相続によって会社の安定性が損なわれるリスクがあります。このため、事前に対策を講じることが重要です。
事前対策
株主間契約:株式の譲渡や相続に関する規定を事前に定めておくことができます。これにより、相続後の混乱を防ぎます。
遺言信託:遺言書を信託会社に預け、専門家の管理下で株式の分配を行う方法です。
株式分散の防止:株式の相続が複数の相続人に分散することを防ぐため、特定の相続人に集中させる方法も検討されます。
※株式の分散は避けるべきです。例えば、定款を変更するためには、株主総会の特別決議が必要となります。要件は「原則として、議決権の過半数を有する株主が出席し、出席した株主の議決権の3分の2以上の賛成を必要とする決議」です。つまり、2人で仲良く半分ずつでは、仲たがいが生じた場合、定款の変更すらできない状態に陥ります。注意が必要です。
4. 株式の譲渡制限と承認手続き

会社の定款には、株式の譲渡に制限がある場合があります。相続によって株式が移転する際にも、この制限が適用されることがあります。
譲渡制限の確認
定款の確認:会社の定款に譲渡制限が記載されているかを確認します。相続による株式の移転も、株主総会や取締役会の承認が必要な場合があります。
承認手続き:必要に応じて株主総会や取締役会で承認手続きを行います。承認が得られない場合、会社側が株式を買い取る権利を行使することもあります。
5. 専門家のサポート
株式の相続手続きは複雑で専門知識が必要です。弁護士や税理士、公認会計士などの専門家のサポートを受けることが重要です。
専門家の役割
弁護士:法的手続きや遺産分割協議のサポートを行います。
司法書士:争いのない法的手続きや商業登記等、遺産分割協議についてのサポートをします。
税理士:株式の評価や相続税の申告、納付手続きをサポートします。
公認会計士:株式の評価や財務分析を行い、相続後の会社の経営をサポートします。
6. まとめ
会社の代表者が亡くなった場合の法人の株式の相続は、評価方法や相続税、経営権の移行、会社の安定性の確保、譲渡制限と承認手続き、専門家のサポートなど、さまざまな要素を考慮する必要があります。これらのポイントを踏まえ、事前に適切な対策を講じることで、相続後のトラブルを未然に防ぐことができます。相続手続きが円滑に進むよう、専門家のサポートを受けながら計画的に進めることが重要です。

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