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(論点)「相続人は、私一人なので、手続きは簡単ですか?」

相続人が一人であっても、相続の手続きは必ずしも簡単ではありません。その理由について、以下で詳しく説明します。
目次
1.相続の基本的な流れ
2.手続きが簡単でない理由
3.結論
1.相続の基本的な流れ

相続の手続きは、相続人の人数に関係なく、以下のような基本的な流れをたどります。
(1)相続人の確認:相続人が一人であることを確認するために、被相続人(亡くなった方)の戸籍を遡って確認する必要があります。この過程で、知られていなかった相続人がいる可能性もあり、複雑になることがあります。
(2)遺産の調査:被相続人の財産を調査し、相続対象の資産と負債を把握します。これには、不動産、預貯金、株式、生命保険などが含まれます。また、負債があればそれも含めて調査しなければなりません。
(3)相続放棄の検討:相続財産に負債が多い場合、相続人は相続放棄を検討することがあります。相続放棄をする場合、家庭裁判所に手続きを行う必要があり、手続き自体が複雑です。
※遺産分割協議書の作成:相続人の調査の結果、他にも相続人がいることが判明した場合、遺産分割協議書を作成して相続内容を明文化することが求められます。
(4)名義変更手続き:相続した財産の名義変更手続きが必要です。例えば、不動産の名義変更や銀行口座の解約・名義変更などが挙げられます。これには、それぞれに異なる書類や手続きが必要です。(法務局にて、法定相続情報一覧図の作成することで、共通する戸籍等の書類を持参しなくてもよくなります。)
2.手続きが簡単でない理由

相続人が一人であっても、相続の手続きが簡単でない理由はいくつかあります。
複雑な書類手続き
相続手続きには、多くの書類が必要です。例えば、被相続人の死亡届、戸籍謄本、遺産分割協議書、相続関係説明図、財産評価証明書などがあります。これらの書類を揃えるだけでも時間と手間がかかります。特に、相続人が一人でも、すべての財産に対して適切な書類を用意し、各機関に提出する必要があります。
財産の評価と分割
被相続人が複数の財産を持っていた場合、それらの評価を行う必要があります。不動産の場合、評価額を算定するために専門家の査定が必要となることがあります。また、金融資産も種類ごとに評価額を確認しなければなりません。相続人が一人であっても、これらの手続きは省略できません。
税務申告
相続財産が一定の額を超える場合、相続税の申告が必要です。相続税の計算には、複雑な税法の知識が必要であり、税理士の助けを借りることが多いです。また、税務署に対して提出する書類も多く、申告期限も厳格です。相続人が一人でも、相続税の申告手続きを行わなければならない場合があります。
負債の調査
被相続人が負債を抱えていた場合、その全貌を把握する必要があります。負債がある場合、相続人はそれを引き継ぐか、相続放棄を選択することができます。負債の有無を確認するためには、被相続人の過去の金融取引や借入記録を詳しく調査しなければならず、これも一筋縄ではいきません。
遺言書の存在
被相続人が遺言書を残していた場合、その内容に従って相続手続きを進める必要があります。遺言書が法的に有効かどうかを確認し、内容が法定相続分と異なる場合には、相続人として異議を申し立てることも考えられます。このようなケースでは、弁護士の助けを借りることが多くなります。
3.結論
相続人が一人であっても、相続手続きは多岐にわたり、複雑な手続きを要します。書類の準備、財産の評価、税務申告、負債の調査など、すべてのプロセスを適切に遂行するには専門的な知識と時間が必要です。特に、遺産に負債が含まれている場合や、複数の財産がある場合、手続きの複雑さは一層増します。このため、相続手続きが簡単でないことを理解し、必要に応じて専門家の助けを借りることが重要です。

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