東洋哲学にはさまざまな流派が存在しますが、その中でも特に重要なものを挙げると、以下の3つが代表的です。
2.1 儒教
儒教は、中国の思想家孔子によって始められた道徳哲学で、主に倫理、家庭や国家における道徳的秩序、そして人間関係に重点を置いています。儒教の教えは「仁(じん)」と呼ばれる慈しみの心と、「礼(れい)」と呼ばれる社会的な秩序の維持を重視し、個人が家族や社会に対してどのように責任を果たすべきかを説いています。
儒教はまた、統治者の徳性や正しい統治のあり方についても考察し、社会全体の調和と秩序を保つためには、すべての人々が道徳的に正しい行いをする必要があると説きました。この思想は、長い間中国や日本、韓国の政治的・社会的な制度にも影響を与えました。
つまり、中国の皇帝、朝鮮の貴族が国民を統治するための手段を解いたものであり、目上の者を敬うことが絶対というのが教えです。日本にも色濃く儒教の教えが残っていますが、現代社会において、これを実践すると不幸になるケースがあるので注意が必要です。盲目的に実践するのではなく、状況を観察して判断することが望ましい時代になっています。
2.2 道教
道教は、老子や荘子などの思想家によって発展した中国の哲学です。「道(タオ)」という宇宙の根本原理に従って生きることを重視し、人間が自然と調和し、無理のない生き方を目指すことを教えます。道教の基本的な教えは、「無為自然(むいしぜん)」という概念に象徴され、これは「何もしない」という意味ではなく、自然の流れに逆らわず、無理のない状態で存在することを指します。
道教はまた、物質的な世界に執着することから離れ、精神的な自由を求めることを奨励します。この思想は、個人の内面的な修養や自然との一体感を追求するものであり、瞑想や健康法、長寿の追求といった実践にも結びついています。
2.3 仏教
インドに起源を持つ仏教は、ゴータマ・ブッダ(釈迦)によって説かれた教えであり、苦しみから解脱する道を示します。仏教の核心的な教えは「四諦(したい)」と「八正道」にあります。四諦とは、人生には苦しみがあること(苦諦)、その苦しみには原因があること(集諦)、その原因を取り除くことで苦しみから解放されること(滅諦)、そしてそのための具体的な道(道諦)です。
仏教は人間の欲望や執着が苦しみを生むと考え、執着を断ち切り、心を静かに保つことが解脱への道であると教えます。また、輪廻や因果応報の概念を通じて、個々の行動が未来に影響を与えるという倫理的な教えも重要です。仏教は中国、韓国、日本へと広がり、各地でそれぞれの文化と融合して様々な形態の仏教が発展しました。
3. 東洋哲学の共通テーマ