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認知症発症後は「法定後見一択」になる現実|司法書士が解説する預金凍結リスクと財産管理の法的対策【香川県対応】

2026年02月03日

認知症対策について相談を受ける中で、私が最も強くお伝えしていることがあります。

それは、
「認知症発症後にできる対策は、ほぼ法定後見しかない」
という厳しい現実です。

預金は凍結され、不動産も売却できず、家族であっても自由にお金を動かせない。
この状態になってからでは、選択肢は極端に狭まります。

一方で、判断能力があるうちであれば、任意後見・家族信託・財産管理契約など、複数の法的スキームを組み合わせた柔軟な設計が可能です。

本記事では、司法書士の実務経験を踏まえ、
「なぜ凍結されるのか」「なぜ後見一択になるのか」「どうすれば回避できるのか」
を法的観点から整理します。

目次

1.なぜ認知症で預金は凍結されるのか(法的根拠)
2.香川県でも増えている財産管理トラブルの実情
3.凍結後に待っている「法定後見」という現実
4.法定後見制度の具体的な制限とデメリット
5.発症前にしか使えない3つの法的対策
6.任意後見と家族信託の実務的な使い分け
7.司法書士等の専門家が関与すべき理由
8.まとめ|財産管理は"事前設計"で9割決まる


1.なぜ認知症で預金は凍結されるのか(法的根拠)

「家族なのに、なぜお金を下ろせないのか」

多くのご家族が最初に疑問を抱く点です。

しかし法律上、預金はあくまで「本人の財産」です。
たとえ配偶者や子どもであっても、当然に代理権はありません。

さらに銀行には、不正払戻しを防止する義務があります。
そのため、判断能力低下の情報を把握した場合、本人保護の観点から口座取引を停止します。

これは銀行の"冷たい対応"ではなく、法的リスク回避のための当然の措置です。

結果として、

  ・キャッシュカード利用停止

  ・窓口払戻し不可

  ・定期解約不可

  ・名義変更不可

という全面停止状態になります。

2.香川県でも増えている財産管理トラブルの実情

香川県は高齢化率が高く、後期高齢者人口も増加傾向にあります。
それに比例して、

  ・施設入所費が払えない

  ・医療費の引落しが止まる

  ・家族間で管理トラブルが発生

  ・無断引出しを疑われ親族間紛争へ発展

といった相談が目立ちます。

特に地方では「長男が管理していた」「通帳を預かっていた」という慣習的運用が多く、法的根拠がないまま管理しているケースが少なくありません。

これが後々、大きな紛争の火種になります。

3.凍結後に待っている「法定後見」という現実

判断能力が失われた後に財産を動かす方法は、原則として家庭裁判所への後見申立てのみです。

つまり、

発症後 = 法定後見一択

これが実務上の現実です。

選択肢はありません。しかも、本人保護基準での財産管理となります。

4.法定後見制度の具体的な制限とデメリット

法定後見は「守る制度」であり、「自由に使える制度」ではありません。

主な制限は、

  ・毎年家庭裁判所への財産報告

  ・支出は本人利益限定

  ・相続対策や贈与は原則不可

  ・不動産売却に家庭裁判所の許可必要

  ・専門職後見人報酬(月額2万円〜6万円程度)が継続

  ・途中終了不可(本人死亡まで)(令和8年2月3日時点)

つまり「家族の意思で柔軟に資産運用することはほぼ不可能」です。

生前対策としては極めて不向きと言わざるを得ません。

5.発症前にしか使えない3つの法的対策

だからこそ重要なのが、発症前の準備です。

主な選択肢は以下の3つです。

①任意後見契約

 将来の後見人を自分で指定可能。
 法定後見より自由度が高い。

➁家族信託

 受託者(家族)が柔軟に財産管理・処分できる。
 実務上もっとも機動力が高い。

③財産管理委任契約

 すぐに代理権を発生させられる即効性のある仕組み。

 これらは 判断能力があるうちにしか締結できません。

6.任意後見と家族信託の実務的な使い分け

実務上は単独ではなく「併用」が最適解になることが多いです。

  ・日常管理 → 家族信託

  ・身上監護 → 任意後見

  ・当面のサポート → 委任契約

このように役割分担させることで、法的空白を防ぎます。

ここは専門家による設計が不可欠な領域です。

7.司法書士等の専門家が関与すべき理由

これらの契約は単に書面を作れば良いものではありません。

  ・法的有効性

  ・税務影響

  ・相続との整合性

  ・家族関係の調整

  ・登記手続き

総合的な設計が求められます。

司法書士は、財産管理・後見・相続登記の実務を横断的に扱う数少ない専門職です。
そのため、認知症対策の法務設計に最も適した立場にあります。

8.まとめ|財産管理は"事前設計"で9割決まる

認知症は予測できません。
しかし、財産管理の仕組みは設計できます。

発症後に慌てるか、
発症前に備えるか。

この差が、ご家族の負担を大きく左右します。

法定後見に入ってからでは遅い。
それが、現場に立つ司法書士としての率直な実感です。

「まだ元気だからこそ」
今のうちに対策をご検討ください。

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