平日9時~18時 土10時~15時 時間外対応可能

相続登記義務化の対象範囲

2024年04月09日

相続登記義務化が施行されましたが、問い合わせ内容に「相続登記義務化の対象は土地だけでしょう」という話をする方がいらっしゃいました。相続義務化の対象範囲について、再度、お話をしたいと思います。

目次

1.相続登記義務化の発端

2.相続登記義務化の対象範囲

3.まとめ


1.相続登記義務化の発端

 Q1.知りませんでした!不動産(土地・建物)の相続登記が義務化されるのはなぜですか?

 「相続登記がされないため、登記簿を見ても所有者が分からない「所有者不明土地」が全国で増加し、周辺の環境悪化や公共工事の訴外など、社会問題になっています。この問題解決のため、令和3年に法律が改正され、これまで任意だった相続登記が義務化されることになりました。」(法務省パンフレット引用)

 東日本大震災後の復興作業の際、土地の所有者を特定するために大変苦労したということがあったみたいです。実際に、仙台などで各地の司法書士を臨時の公務員として雇い、相続人の調査を行い所有者を特定していったという話を聞きました。そのため、復興作業が大幅に遅れたそうです。この時問題になったのが、任意である相続登記の放置です。現在、所有者不明土地の面積は、九州と同じ面積だそうです。これが原因となり、今回の相続登記義務化の流れになっています。

2.相続登記義務化の対象範囲

 Q2.相続登記の義務化とは、どういう内容ですか?

 「相続人は、不動産(土地・建物)を相続で取得できたことを知った日から3年以内に、相続登記をすることが法律上の義務になります

  正当な理由がないのに相続登記をしない場合、10万円以下の過料が科される可能性があります。

  遺産分割の話し合いで不動産を取得した場合も、別途、遺産分割から3年以内に、登記をする必要があります。」(法務省パンフレット引用)

 Q3.義務化が始まるのはいつからですか?始まった後に、対応すれば大丈夫でしょうか?

 「「相続登記の義務化」は、令和6年4月1日から始まります。ただ、今から備えておくことが重要です。

  また、令和6年4月1日より以前に相続した不動産も、相続登記がされていないものは、義務化の対象になります(3年間の猶予期間があります。)ので、要注意です。」(法務省パンフレット引用)

 これらの質問で、不動産の対象範囲が土地だけだと勘違いされている方が、意外に多いです。おそらく、相続登記義務化の発端となったのが「所有者不明土地問題」だからだと思いますが、相続登記義務化の対象範囲は、不動産(土地・建物)です

 質問内容にもあったのですが、義務化が始まってからやればいいというお話がありましたが、今元気な方でも、時間の経過により状況は変わってきます。亡くなった場合には、さらに相続人が増えるケースや、認知症などになってしまい、遺産分割協議の際に成年後見人の申請が必要になったりする場合があります。相続人の調査や成年後見人を就けるにも、それなりのコストが発生してしまいます。早めの対処が、「安心」をもたらしてくれます。早めに相続の対応をするように心がけてください。

3.まとめ

 「相続登記義務化」のキーワードを知っていても、その中身まで詳しく知っている方はなかなか見たことがありません。アイリスでも、相続無料相談や相続法律・税務無料相談会、無料セミナーなどを通じて、啓蒙活動を実施しております。

 アイリスでは、相続関連(相続登記だけでなくその生前対策も)の無料相談を随時受け付けております。いろいろとお話を聞くために、あえて時間設定は設けておりません。ただし、予約優先となりますので、必ず事前にお電話で予約をしてください。手続きが発生するまでは、相談の費用は掛かりません。(登記の方法を教えてほしい等、ノウハウを相談事項とする方は、ご遠慮ください)

 また、別事務所で「相続法律・税務無料相談会」を月1で実施しております。こちらは完全予約制になっておりますので、必ず事前に電話で予約状況を確認の上、予約を確定してください。

最新のブログ記事

遺言書の作成に関する普及についての統計は、いくつかの公的機関や調査機関によって報告されています。特に、自筆証書遺言の保管制度が導入された2019年以降、遺言書の作成が普及していることがわかるデータがあります。

生前贈与は相続税対策として広く活用されており、増加傾向を示す統計データもいくつか存在します。生前贈与の増加には税制上の特典や経済環境の変化が影響しており、特に高齢化社会の進行とともに贈与の活用が注目されています。

相続手続きは複雑で、多くの人々がどこから手を付けるべきか迷ってしまうものです。相続コンサルタントは、こうした手続きのサポートを提供することで、クライアントの負担を軽減する役割を担っています。しかし、相続には法律や税務が深く関与しており、これらの分野は弁護士や税理士などの専門資格を持つ者(士業)のみが扱うことが許されています。相続コンサルタントがどこまでサポートできるのか、その限界と役割について詳しく解説します。