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相続登記義務化に関する説明

2024年06月17日

2021年の民法および不動産登記法の改正により、日本では相続登記が義務化されることとなりました。この改正は2024年4月1日から施行され、相続による不動産の登記が義務付けられることで、所有者不明の不動産の問題を解消し、透明性を高めることが目的とされています。以下では、相続登記義務化の背景、具体的な内容、そしてその影響について詳しく説明いたします。

目次

1.相続登記が義務化に至った背景

2.改正の内容

3.今後想定される影響

4.まとめ


1.相続登記が義務化に至った背景

 日本では、相続登記が未完了のまま放置されている不動産が多く存在します。相続人が相続登記を行わない理由として、手続きの煩雑さや費用の問題が挙げられます。しかし、これによりいくつかの深刻な問題が生じています。

 ①所有者不明不動産の増加:

  不動産の所有者が明確でない場合、公共事業の用地取得や再開発が困難になることがあります。特に、インフラ整備や災害対策において、迅速な対応が求められる場面で支障が出ることがあります。実際に、東日本大震災の際には、所有者不明の土地のために、復旧が遅れていました。

 ➁空き家問題:

  相続登記が行われずに放置された不動産が空き家となり、防災や防犯の観点から地域社会に悪影響を及ぼしています。空き家は放火や不法侵入のリスクを高めるだけでなく、景観の悪化や資産価値の低下を招きます。

2.改正の内容

 相続登記義務化に関する改正では、以下のような具体的な内容が盛り込まれています。

 ①相続登記の義務化:

  相続が発生したことを知った日から3年以内に相続登記を行うことが義務付けられます。(すでに発生している相続については、令和6年4月1日より3年以内)相続登記を行わない場合、罰則が科される可能性があります。これは相続人が自身の権利を明確にし、適切に不動産を管理するための重要なステップです。

 ➁相続登記の簡素化:

  手続きの簡素化を図るため、必要書類の取得が容易になります。具体的には、戸籍謄本や住民票の取得手続きが簡略化されるほか、オンライン申請の導入も進められています。これにより、相続人の負担が軽減され、スムーズに登記手続きを行うことが可能になります。

 ③所有者不明土地の管理制度の整備:

  自治体が所有者不明の土地を管理できる制度が整備されました。これにより、放置された土地の適切な管理が期待され、公共事業や地域開発の障害が取り除かれることが期待されます。

3.今後想定される影響

 相続登記義務化により、いくつかの重要な影響が見込まれます。

 ①相続人の義務の明確化:

  相続人は、不動産の相続が発生した場合に速やかに登記手続きを行う義務があります。これにより、相続人間でのトラブルが減少し、不動産の管理がより効率的に行えるようになります。特に、相続人間での共有持分の明確化が進むことで、不動産の有効利用が促進されます。

 ➁不動産市場の透明性向上:

  相続登記が義務化されることで、不動産の所有者が明確になります。これにより、不動産取引の透明性が向上し、市場の信頼性が高まります。特に、投資家にとっては安心して取引を行える環境が整うことが期待されます。

 ③公共事業の円滑化:

  所有者が明確な不動産が増えることで、公共事業の用地取得がスムーズに進むようになります。これにより、インフラ整備や地域開発が効率的に行われ、地域社会全体の発展に寄与します。

 ④空き家問題の解消への第一歩:

  相続登記が義務化されることで、空き家の発生が抑制されます。これにより、防災や防犯の観点からも地域の安全性が向上し、住環境の改善が期待されます。また、適切に管理された不動産は、地域の資産価値向上にも寄与します。

4.まとめ

 相続登記の義務化は、日本における不動産管理の改善と透明性の向上を目的とした重要な改革です。相続人はこの新しい制度に対応するために、相続が発生した際には速やかに登記手続きを行うことが求められます。これにより、社会全体としての不動産管理がより適切に行われることが期待されています。

 不動産の相続登記が義務化されることで、所有者不明の不動産が減少し、地域社会の発展や不動産市場の健全化が進むことが期待されます。この制度は、相続人にとっても権利を守り、不動産の有効利用を促進する重要な役割を果たします。相続登記の手続きを確実に行い、新しい制度に対応することが、将来的なトラブルを防ぐためにも重要です。

 また、ご自身の権利を主張するため(不動産を処分する場合に、契約の当事者を主張するため)に、相続登記をしておかなければできません。将来、所有している不動産を処分しようと考えている方は、相続登記は早めにしておくことをお勧めいたします。

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