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相続登記義務化について、「なぜ」義務化なのか?わかりやすく解説

2024年04月29日

既に始まっている相続登記義務化ですが、なぜ相続登記が義務化されたのか?そして、相続登記をしないことによる弊害は、罰則である過料だけなのか?そして、不動産を所有するということについて今一度考えていただきたく、詳しく解説していきます。北海道新聞の記事によくまとまったものがありましたので、こちらを引用しながらお話をしていきます。

目次

1.相続登記とは何?

2.相続登記をしないことによる支障

3.空き家問題と直結。放置すると何が良くない?

4.所有することによる責任問題について

5.まとめ


1.相続登記とは何?

 「登記は土地の場所や広さ、建物の構造など不動産の状態と、その権利関係を記したものです。現在の所有者がだれで、抵当権が付いているかどうかなどをだれでも確認することができ、不動産取引を安全に行うための制度です。そして、相続登記は、家や土地など不動産の所有者が亡くなった後、不動産の所有名義を相続人に変更する手続きのことをいいます。」(北海道新聞記事引用終わり)

 つまり、亡くなった方名義のままでは、公示された登記簿からは、亡くなった方の氏名住所しかわかりません。もし、処分(売買等)しようと思っても、死者は契約当事者にはなることはできません。現在生きている当事者でなければなりません。そのためには相続登記をしておかなければ、処分すらできないという状態になるわけです。

 それでは、なぜ相続登記を放置する方が今まで多かったのかと言いますと、通常不動産取引をした場合の権利関係を明確にするために「登記(名義の変更)」をして、第三者に対抗する要件を備えるわけです。登記をしないと、前の所有者から買ったとする第三者に対抗できないという事態が生じるわけです。つまり、自己の権利を主張するために登記が必要なんです。不動産の登記は任意というのはここからきています。それが今まで相続登記にも及んでいたために、令和6年4月1日までは、任意で行うものとされていました。任意ですので、罰則もありませんから、「やらない」という選択肢があったわけです。

 しかし、東日本大震災の時、復興のため被災した土地を再開発しようとしたとき、この相続登記の放置による所有者不明となっている土地がネックになり、再開発が遅れたそうです。そこで、政府が所有者不明土地の調査をしたところ、九州の面積に匹敵する土地が該当したため、相続登記義務化の方向に方針を転換したと言われています。

2.相続登記をしないことによる支障

 先ほどは、相続登記をしないことについて、社会的な支障についてお話をしてきました。それでは、相続登記をしなかった方たちにとってどのような支障が出てくるのかを見ていきたいと思います。

 まずは、今回の義務化の罰則である過料です。最大10万円以下の過料となります。

 それでは、10万円払えばそれで終わりなのか?または、相続人申告登記をして、過料だけは免れておけばいいのか?という点について、考えていかなければならないと思います。次で述べたいと思います。

3.空き家問題と直結。放置すると何が良くない?

 建物放置は空き家問題に直結しますし、損壊の危険や治安悪化も懸念されるところです。季節の変わり目になりますと、放火事件などが増加しますが、空き家が狙われるケースも少なくありません。

 「空き家はさまざまな問題を生じさせます。人が管理しない状態が続くと、台風などの自然災害で損壊したり、雨水が入って朽ちたりして周囲に危険を及ぼします。動物が入り込んで繁殖すれば、衛生面でも問題になります。悪い人がたむろして治安の悪化を招く可能性もあります。その他にも景観面や地価の低下も問題となります。そこで、一つの対策として不動産登記法などが改正され、相続登記を義務化することになりました。」(北海道新聞記事引用)

 こちらもどちらかと言えば、社会的な問題に起因するものですが、地域の問題になってきますね。例えば、倒壊しそうな空家が倒壊し、近隣住民に被害が出た場合に、相続人の方たちは「関係ない」といえるのでしょうか?次で解説していきます。

4.所有することによる責任問題について

 「民法(土地の工作物等の占有者及び所有者の責任)

第717条 土地の工作物の設置又は保存に瑕疵があることによって他人に損害を生じたときは、その工作物の占有者は、被害者に対してその損害を賠償する責任を負う。ただし、占有者が損害の発生を防止するのに必要な注意をしたときは、所有者がその損害を賠償しなければならない

2 前項の規定は、竹木の栽植又は支持に瑕疵がある場合について準用する。

3 前二項の場合において、損害の原因について他にその責任を負う者があるときは、占有者又は所有者は、その者に対して求償権を行使することができる。」

 上記民法の規定は、土地の工作物(建物、橋、電柱、エスカレーター等)について、責任の所在を指しています。

 例えば、空き家を放置していたために、倒壊し、近隣住民に損害が発生した場合、空き家に占有者はいませんので、その責任は所有者に行くことになります。つまり、相続人です。よく条文を見ていただければわかると思うのですが、占有者(賃借人など)には、ちゃんと管理していることが証明されれば責任を免れますが、所有者にはその文言はありません。つまり、損害が発生した場合、所有者に係る責任は、免責事由がなく無過失責任となります。相続人にいかなる事情があったとしても、とりあえずは責任がかかります。そして損害を賠償した後、「損害の原因について他にその責任を負う者があるときは、占有者又は所有者は、その者に対して求償権を行使することができる。」とされるわけです。

 使わない不動産(特に老朽化した建物)について、処分方法の検討を促しているのには、このような事情がある訳です。

5.まとめ

 このように、相続登記を放置することで相続人が負う責任は、義務化の過料だけではないことがお分かりいただけたと思います。所有者の責任というのは無過失責任です。使わない実家などがある場合、アイリスでは相談を受けつけております。このような物件を専門に買い取りをされている業者がおりますので、そちらにお繋ぎしております。

 漠然とした不安が現実のものになる前に、是非検討してみてください。

 アイリスでは、相続関連(相続登記だけでなくその生前対策も)の無料相談を随時受け付けております。いろいろとお話を聞くために、あえて時間設定は設けておりません。ただし、予約優先となりますので、必ず事前にお電話で予約をしてください。手続きが発生するまでは、相談の費用は掛かりません。(登記の方法を教えてほしい等、ノウハウを相談事項とする方は、ご遠慮ください)

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