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相続対策について、遺言書や生前の遺留分対策などのお話をした時によく聞く言葉が「うちは財産少ないからもめないよ」です。しかし、本当に財産が少ないからもめないのでしょうか。数百万円の遺産をめぐり、ご兄弟で遺産分割調停・審判にまで至ったケースを見たことがあります。しかし、実際のところよくわかりませんよね。裁判所の統計データを参考にしながら解説していきたいと思います。
目次
1.遺産の内容別遺産の価額別件数(全家庭裁判所・成立件数)
2.遺産分割事件が発生した場合、成立までにかかる期間
3.遺産分割事件に発展させないためにできること
4.起こった場合に備えての具体的な対策
5.まとめ
1.遺産の内容別遺産の価額別件数(全家庭裁判所・成立件数)
裁判所HPにおいて、令和2年度の資料が最新でしたので、こちらから見ていきたいと思います。
(裁判所資料 令和2年度 別表52 遺産分割事件のうち認容・調停成立件数(「分割をしない」を除く) 遺産の内容別遺産の価額別 全家庭裁判所)
この表からわかるように、遺産額が1000万円以下では、全体の35%を占めています。また、5000万円以下になると、全体の78%となっています。逆に、5000万円以上の価格における遺産分割事件の割合は、22%です。資産が多いと、事前に対策を照っている方が多いためと推測できます。
つまり、金額が少ない方がむしろ遺産分割事件に発展しているように見えます。
私が司法書士になる前に、実際に経験した遺産分割事件に関してお話をしますと、「私情」や「親族間のもつれ」などから、数百万円で争ったケースも目の当たりにしたことがあります。関係当事者が、完全に弁護士費用倒れになってしまっていても、白黒をはっきりつけたいと言っていたことを思い出します。
2.遺産分割事件が発生した場合、成立までにかかる期間
こちらも裁判所HPの令和2年度の資料を基に見ていきたいと思います。
(裁判所資料 令和2年度 別表49 遺産分割事件数 実施期日回数別審理期間別 全家庭裁判所)
表から見ますと6か月以内に終了するのは、30%となっており、1年以上かかるのが36%にも上っています。
3.遺産分割事件に発展させないためにできること
遺産分割事件は、事件に発展してしまった場合、親族関係は崩壊します。ですので、遺産分割事件に発展させないためにも、事前のコミュニケーションや生前の対策が有効になってきます。
アイリスでは、「遺言書+遺留分の生前対策」をお勧めしております。
遺言書を作成していても、帰属先は遺言書の効力発生時に定まりますが、その後に「遺留分」の問題が発生する可能性があります。そこで、生前の遺留分対策をしておくことで、相続人間に不公平感が出ないようにしておく手法です。
しかし、家族間の事前のコミュニケーションが一番であることには変わりありません。
4.起こった場合に備えての具体的な対策
遺言書作成については、「近所の人で、遺言書でもめた人を知っている。」という話をよく聞きます。しかし、遺言書がない場合、もっともめます。つまり、遺言書作成をしていてももめることもありますが、作成していないせいでもっともめるケースが、裁判所のデータが物語っています。何もしないことは、遺産分割でもめてしまうきっかけになる可能性が高いということです。「遺言書+遺留分の生前対策」については、法律・税務の双方で検討しなければならない項目がたくさんありますので、アイリスでは「ワンストップ対応」で、月1度開催されます無料相談会への参加をお勧めしております。
5.まとめ
いったん、遺産分割事件が発生した場合、もう後戻りはできません。また、「うちは財産少ないからもめないよ」という言葉は、裁判所の統計からみても、あまり根拠がないことがわかると思います。
アイリスでは、相続関連の法律相談を無料で実施しております。ぜひご活用ください。
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