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司法書士を目指されている方へ(択一の全肢検討か軸足検討か)

2023年10月22日

司法書士試験の択一問題で、「全肢検討」か「軸足検討」か、意見が分かれるところです。全肢検討には全肢検討の良さがありますし、軸足検討には軸足検討の良さがあります。その半面のデメリットも、当然あります。ポイントは、「いいとこどり」。それでは解説していきましょう。

目次

1.全肢検討のメリット・デメリット

2.軸足検討のメリット・デメリット

3.私の場合

4.まとめ


1.全肢検討のメリット・デメリット

 (メリット)

 ①誤っているもの・正しいものの取り違えに気づきやすい

 ➁全体の問題を検討するので、間違いにくい

 (デメリット)

 ①読むのに時間がかかる

2.軸足検討のメリット・デメリット

 (メリット)

 ①読むのに時間を要さない

 (デメリット)

 ①誤っている者もの・正しい者の取り違えに気づかない

 ➁一部の肢で検討するので、読んでいない肢が存在するので気持ち悪い

3.私の場合

私が受験生時代、予備校1年目は、軸足検討をしていました。読むのは、まだまだ遅かったです。2年目は、午前のみ全肢検討をして、午後は軸足検討をしていました。合格をした3年目は、午前午後共に全肢検討を主体として、午後の進み具合によって、軸足検討に切り替えていました。なぜこんなことができるのかというと、やはり学習の定着の度合いと、時間を決めて取り組んでいたルーティン学習で培った正確に読む速さです。しかしこれだけでは足りません。問題文から「キーワード」を素早く見抜く力が必要です。

えっ?キーワードを素早く見抜くなんて無理だよ、とお思いのあなた、学習方法に「穴埋め問題」を取り込んでいない証拠です。穴埋め問題には、この「キーワード」を主体に作り込んでいます。ですので、文章を単に読むだけでなく、キーワードを探しながら見ていきます。そうすることにより、キーワードが付随する知識を想起させてくれるようになります。ですので、全肢検討も可能になってくるのです。

合格した令和3年度の予備校の模試はすべて「全肢検討」で解き、時間を測っていました。できないことはないですよ。ただ、あまりにも全肢検討だけやっていると、軸足検討の感覚が鈍るので、試験までの最後の2週間のトレーニングは、あえて軸足検討をするようにしていました。この時の軸足検討のトレーニングの内容は、斜め読みでキーワードを探し、すぐに頭の中に出てきた肢から攻めていく方法です。全肢検討よりも時間を短くできるまで行いました。

この辺りの話は初学者には厳しいです。複数年受験者には、是非取り組んでいただきたいメニューです。簡単には、身につかない分、いったん武器になればその破壊力は絶大です。

4.まとめ

 全肢検討、肢別検討のメリット・デメリットは、相互に反対の関係になっています。しかし、考えてみてください。早く読み、キーワードからバックグランドの知識も読み出せる状態なら、全肢検討がメリットが多いですよね。全肢検討のデメリットは、所要時間がかかるという点ですから。ただし、無理に早く読もうとすれば、「読み飛ばし」が発生しやすいです。読み飛ばした中にキーワードがある場合、致命傷になります。

 ですので、時間はかかりますが、今からでも遅くはありません。早く読み、キーワードを見抜くトレーニングをしてみてください。そして、その成果を予備校の模試で確認してみてください。数か月で身につくような内容ではないので、普段の学習時、問題を解くとき、常に意識していなければなりません。すべては司法書士試験に合格するためにやるつもりで取り組んでみてください。

 また、キーワードからバックグランドの知識を連想できる学習方法として、私は「穴埋め問題」を活用してきました。とはいっても、それだけでやると実感がわかないので、穴埋め問題形式の付箋を大量に作成して年内にまとめ上げ、そして、直前期には、そのまとめたノートから、まだ不安な部分の付箋と、模試や過去問のコピー(解説付き)の問題の下に貼り付けて、回しながらキーワードの確認もしていました。慣れるまでには時間がかかりますが、慣れるようになったとき、自分の実力に驚くと思います。

 ぜひ、学習方法に取り組んでみてください。

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