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司法書士を目指されている方へ(不動産登記法記述の論点2)

2024年05月12日

記述の論点について、過去問や模試からいろいろと学習されている最中だと思います。特に、今年の試験からは記述の配点が倍になりましたので、力を入れている方も多いのではないでしょうか。今回は、不動産登記法の記述の問題の論点の一部と解き方のコツなどについてお話したいと思います。

目次

1.抵当権の利息の特別登記と注意事項

2.解除による(根)抵当権の抹消


1.抵当権の利息の特別登記と注意事項

 抵当権は債権額のほか、弁済期の経過となった最後の2年分の利息及び遅延損害金について、優先弁済権を行使することができます。しかし、最後の2年分の以前の利息等についても、弁済期の経過後特別の登記をすることで、その登記の時から当該抵当権によって優先弁済権を行使することができます。(民法375条1項但)

 利息の特別登記の対象は、最後の2年分以前の遅滞利息等に限られず、単に弁済期が徒過していれば2年分の遅滞利息の累積を待たなくても、また、数回の遅滞利息を数量に制限なく合算して、利息の特別登記をすることが可能とされています。

 この抵当権の利息の特別登記は、元ある抵当権に加えて、その債権の存在を公示して優先弁済権を主張するため、「利害関係人の承諾」を要します。利害関係人とは、後順位の担保権者等が該当します。承諾が得られれば、「付記登記」で登記することができますが、承諾が得られない場合には、通常の主登記となります。記述試験では、利害関係人の承諾があった体で問題が出されますので、この利害関係人が正確に見抜けるようにしておかなければなりません。

(登記申請書)

「登記の目的 〇番抵当権の利息の特別登記(付記)

 登記原因  年月日から年月日までの利息延滞

 申請事項  延滞利息 金〇万円

 権利者   抵当権者

 義務者   所有者

 添付情報  抵当権付利息債権特別登記契約書

       登記識別情報(所有権登記の際のもの)

       印鑑証明書(所有者のもの)

       登記上の利害関係を有する第三者の承諾を証する書面

       代理権限証明情報」

 また、もう一つの注意点として、この登記をする場合、登記権利者は「抵当権者」、登記義務者は「当該物件の所有者」となります。仮に、当該物件の所有者の氏名・名称・住所に変更事項がある場合には、その変更登記を先にしておく必要があります。なぜなら、義務者側に要求される、権利証(登記識別情報)と印鑑証明書のうち、印鑑証明書に表示されている所有者の情報は、現在のものとなるため、登記名義人のものと食い違いが出てきます。所有者が登記をした時点と変更があれば、必ず変更しておく必要があります。

※名義人の変更事項は、とばしてしまうと実務では「却下」になります。試験においても、相当減点になると考えられますので、担保権の論点だけでなく他の論点でもついてくる論点ですので、まず、所有者の名義に変更事項はあるのかないのかの確認をするように習慣化しておいてください。

2.解除による(根)抵当権の抹消

 抵当権の消滅原因には、いくつかの原因があります。目的不動産の滅失の場合等の一般の消滅原因のほか、解除・放棄・混同・第三者の目的不動産の取得時効・債務者の被担保債権の全額の弁済・抵当権の消滅請求等があります。

 ここで注意していただきたいのは、担保権の被担保債権と担保権の関係です。被担保債権が消滅すれば、担保権の効力は失われて、弁済等を原因として抹消登記をすることができますが、被担保債権が残っていても、抹消登記ができるという点です。

 不動産の滅失の場合、当然借金は残っています。また、放棄や所有権の時効取得で抹消となる場合でも、被担保債権の借金は残っている可能性は高いです。そして、「解除」も残っている場合が存在します。

 弁済だけが原因ではないということです。

 また、根抵当権においては、弁済が完了してもそれだけでは消滅しません。継続取引を前提とした根抵当権は、元本確定後において、弁済が完了した場合消滅しますが、元本確定前では、次の取引の可能性がある場合、金融機関側でも相続が発生しても、指定債務者の合意等を行い、継続させる場合が多いです。しかし、所有者と金融機関(根抵当権者)の間で、解除の合意があると、抹消登記をすることができます。当然ですが、元本確定等の手続きは不要です。

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