香川県の相続手続きで、見落としがちな"落とし穴"に気づいていますか?登記・相続税・遺産分割で後悔しないために、香川県 高松市の司法書士・税理士による無料相談会(毎月第3水曜開催)でプロに相談しましょう。90分対応・完全予約制。
任意後見契約と家族信託契約の違いについて

認知症対策として、「任意後見契約」と「家族信託契約」があります。先の家族信託万能論の罠でも解説している通り、同じ「財産管理」であっても、その内容は大きく異なります。こんな筈ではなかったとならないために、比較解説していきます。
目次
1.はじめに
2.「任意後見制度」と「家族信託」の違い
3.結局どちらの制度がいいのか?
4.まとめ
1.はじめに
認知症対策として「任意後見制度」と「家族信託」という2つの制度があります。「どちらの制度がいいの?」、認知症対策相談の時、相談者様からよく質問を受けます。どちらの制度も一長一短があります。制度の内容を要理解せずに、表面的なメリットのみとらえて選択してしまうと、「こんなはずではなかった。」ということにもなりかねません。内容をよく理解した上で選択することが重要になります。なぜなら、この2つの制度は、性質が異なるものだからです。ご家族の置かれた状況からどちらの制度を選択すればよいか見えてくると思います。それでは解説してまいります。
2.「任意後見制度」と「家族信託」の違い
(事例)母は既に亡くなっており、父親が最近少し物忘れが多くなってきており、長男夫婦と次男夫婦がいる事例で見ていきます。

このような事例で、長男が「財産管理」をしていきたい場合を考えていきます。
※父親に判断能力がまだあることが前提条件となります。すでに判断能力を失われている場合には、法定の成年後見制度を利用することになります。
※2つの制度共に詐欺被害などにあった場合の「取消権」がないので対応はできません。法定の成年後見制度にはありますので、ここでも選択の判断が分かれます。

3.結局どちらの制度がいいのか?
事例から見ますと、父親に「身上監護まで必要」であるなら任意後見制度を利用し、必要なければ「家族信託」という選択になります。
しかし、家族信託のみで対応していたがために、父親の認知症が進み、要介護認定の申請手続きや、介護施設への入所契約など発生した場合、「法定の成年後見制度」を利用しなければならなくなります。
そこで、大きな財産については「家族信託」で財産管理をして、それ以外の財産と身上監護を「任意後見制度」を併用する方法もあります。
また、併用だとコスト面で大きくなるのであれば、どちらがいいのかの選択が必要となってきます。この場合は、ご家族でよく話し合ったうえで決めていただきます。
4.まとめ
①積極的な財産管理を行いたいのであれば「家族信託」
➁身上監護が必要なら「任意後見」
③裁判所の関与を避けたいのであれば、「家族信託」
④どちらの制度もご要望になじむのであれば、費用で比較する
「任意後見制度」も「家族信託」もどちらかを選択すれば完ぺきといった制度ではありません。それぞれの制度の趣旨が異なるためです。どちらもご要望に馴染まない場合がありますので、制度をよく理解して決めなければなりません。専門家と相談しながら進めていくのがいいと思います。


最新のブログ記事
【三豊市】実務で進める生前対策 ― 名義整理・農地・登記の具体手順
三豊市の土地・実家・農地を含む生前対策は、資産ごとの「名義整理」と「優先順位」の設定が鍵です。まずは(1)不動産の登記情報確認、(2)農地の利用承諾・権利関係整理、(3)遺言・家族信託の検討——これが実務的に正しい順序です。特に農地や山林は、早めの調査が後の負担軽減につながります。
【丸亀市】今こそ始める生前対策 — 司法書士が教える実例と手順
丸亀市での相続トラブルや、認知症による財産凍結を防ぐには、早めの生前対策が欠かせません。当事務所が丸亀市で実際に受けている相談事例をもとに、今日から始められる具体的なチェック項目と、必要書類の準備方法をやさしく解説します。初めての方でも安心して取り組める手順をご紹介します。
【徳島市・鳴門市対応】不動産の名義変更が義務に — 実務で困らない手続きと相談の流れ
相続登記は2024年4月1日から義務化され、期限を過ぎると過料が科される可能性があります。「何から始めればいいのか分からない」「書類がそろうか不安」という声も多く聞かれます。本記事では、徳島市・鳴門市で相続登記を進める方に向けて、今すぐ確認すべきポイントと実務の流れ、司法書士に相談する際の準備を実務目線で整理しました。




