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なぜ認知症になると預金が使えなくなるのか ― 香川県で実際に起きている「お金が止まる理由」と家族の現実 ―

第1回では、認知症によって本当に困るのは「相続」ではなく、
本人が生きている間の生活が突然止まることだとお伝えしました。
第2回では、香川県で非常に多く寄せられる次の疑問に焦点を当てます。
「なぜ、認知症になると預金が使えなくなるのか」
- 本人のお金なのに引き出せない
- 家族なのに代わりに手続きできない
- 年金は入っているのに生活費に使えない
これは決して特殊なケースではありません。
香川県の相談現場で、日常的に起きている現実です。
制度の話ではなく、
**なぜそうなってしまうのかという"理由"と"仕組み"**を、
生活の視点から整理していきます。
目次
- 「お金が使えない」は突然やってくる
- 金融機関が取引を止める本当の理由
- 代理カード・暗証番号が通用しない現実
- 年金は入るのに使えないという矛盾
- 香川県で家族が立て替える生活が増える理由
- 問題はお金ではなく「判断能力」
1.「お金が使えない」は突然やってくる

多くのご家庭では、
「ある日突然、預金が使えなくなった」と感じます。
前日までは、
- ATMで引き出せていた
- 窓口で手続きできていた
それが、
ある日を境に断られるようになります。
きっかけは、
- 窓口での受け答え
- 手続き内容の理解度
- 家族からの相談や申し出
といった、ほんの些細なことです。
香川県では、
地元の銀行・信用金庫・JAを長年利用している高齢者が多く、
顔なじみであっても、
一度「判断能力に不安がある」と判断されると対応は一変します。
2.金融機関が取引を止める本当の理由

「金融機関は冷たい」
「融通が利かない」
そう感じるご家族も少なくありません。
しかし、金融機関が取引を止めるのには理由があります。
それは、
本人の意思確認ができない取引は、後で無効になる可能性があるからです。
もし、
- 判断能力がない状態で
- 多額の預金引き出しや解約が行われた場合
後から
「その取引は無効だ」
と争われるリスクがあります。
そのため金融機関は、
慎重にならざるを得ない立場にあるのです。
3.代理カード・暗証番号が通用しない現実

多くの方が、次のように考えています。
- 代理カードを作ってあるから大丈夫
- 暗証番号を家族が知っているから問題ない
しかし、現実はそう簡単ではありません。
代理カードは、
本人が判断能力を有していることが前提で利用できる仕組みです。
判断能力に疑いが生じた時点で、
- 利用停止
- 取引制限
がかかることは、決して珍しくありません。
暗証番号を使った引き出しも、
後から問題になれば、
家族側が責任を問われる可能性があります。
4.年金は入るのに使えないという矛盾

認知症になると、
次のような矛盾した状況が生まれます。
- 年金は口座に振り込まれる
- しかし、その年金を引き出せない
結果として、
- 介護保険の自己負担分
- 医療費
- 施設入居時の初期費用
を、
家族が一時的、あるいは長期的に立て替える生活が始まります。
香川県では、
- 地元に残った子どもが介護と金銭負担を担い
- 県外のきょうだいは実情を把握しにくい
というケースが非常に多く見られます。
5.香川県で家族が立て替える生活が増える理由

香川県でこの問題が顕在化しやすい背景には、
いくつかの地域特性があります。
- 高齢者のみ世帯が多い
- 子ども世代が県外に定住している
- 金銭管理を親一人に任せきり
その結果、
認知症が疑われた瞬間に、
お金の流れが一気に止まるのです。
事前の備えがなければ、
家族は選択肢のない状態で、
立て替えを続けるしかありません。
6.問題はお金ではなく「判断能力」
ここで重要なのは、
この問題の本質は「お金」ではないという点です。
本当の問題は、
本人の判断能力が低下したと判断されることにあります。
判断能力があるうちにしか、
- 任せる人を決める
- お金の管理方法を整える
- 生活を守る仕組みを作る
といった準備はできません。
認知症対策とは、
財産を守るためのものではなく、
本人と家族の生活を止めないための生前対策です。
次回は、
この問題が家族の人生にどのような影響を与えていくのか、
「立て替え」「介護」「きょうだい間のズレ」という視点から掘り下げていきます。
認知症は、誰にでも起こり得る問題です。
だからこそ、
起きてから考えるのではなく、
起きる前に知っておくことが、
何よりの対策になります。


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