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なぜ認知症になると預金が使えなくなるのか ― 香川県で実際に起きている「お金が止まる理由」と家族の現実 ―

2026年01月30日

第1回では、認知症によって本当に困るのは「相続」ではなく、
本人が生きている間の生活が突然止まることだとお伝えしました。

第2回では、香川県で非常に多く寄せられる次の疑問に焦点を当てます。

「なぜ、認知症になると預金が使えなくなるのか」

  • 本人のお金なのに引き出せない
  • 家族なのに代わりに手続きできない
  • 年金は入っているのに生活費に使えない

これは決して特殊なケースではありません。
香川県の相談現場で、日常的に起きている現実です。

制度の話ではなく、
**なぜそうなってしまうのかという"理由"と"仕組み"**を、
生活の視点から整理していきます。

目次

  1. 「お金が使えない」は突然やってくる
  2. 金融機関が取引を止める本当の理由
  3. 代理カード・暗証番号が通用しない現実
  4. 年金は入るのに使えないという矛盾
  5. 香川県で家族が立て替える生活が増える理由
  6. 問題はお金ではなく「判断能力」

1.「お金が使えない」は突然やってくる

多くのご家庭では、
「ある日突然、預金が使えなくなった」と感じます。

前日までは、

  • ATMで引き出せていた
  • 窓口で手続きできていた

それが、
ある日を境に断られるようになります。

きっかけは、

  • 窓口での受け答え
  • 手続き内容の理解度
  • 家族からの相談や申し出

といった、ほんの些細なことです。

香川県では、
地元の銀行・信用金庫・JAを長年利用している高齢者が多く、
顔なじみであっても、
一度「判断能力に不安がある」と判断されると対応は一変します。

2.金融機関が取引を止める本当の理由

「金融機関は冷たい」
「融通が利かない」

そう感じるご家族も少なくありません。

しかし、金融機関が取引を止めるのには理由があります。

それは、
本人の意思確認ができない取引は、後で無効になる可能性があるからです。

もし、

  • 判断能力がない状態で
  • 多額の預金引き出しや解約が行われた場合

後から
「その取引は無効だ」
と争われるリスクがあります。

そのため金融機関は、
慎重にならざるを得ない立場にあるのです。

3.代理カード・暗証番号が通用しない現実

多くの方が、次のように考えています。

  • 代理カードを作ってあるから大丈夫
  • 暗証番号を家族が知っているから問題ない

しかし、現実はそう簡単ではありません。

代理カードは、
本人が判断能力を有していることが前提で利用できる仕組みです。

判断能力に疑いが生じた時点で、

  • 利用停止
  • 取引制限

がかかることは、決して珍しくありません。

暗証番号を使った引き出しも、
後から問題になれば、
家族側が責任を問われる可能性があります。

4.年金は入るのに使えないという矛盾

認知症になると、
次のような矛盾した状況が生まれます。

  • 年金は口座に振り込まれる
  • しかし、その年金を引き出せない

結果として、

  • 介護保険の自己負担分
  • 医療費
  • 施設入居時の初期費用

を、
家族が一時的、あるいは長期的に立て替える生活が始まります。

香川県では、

  • 地元に残った子どもが介護と金銭負担を担い
  • 県外のきょうだいは実情を把握しにくい

というケースが非常に多く見られます。

5.香川県で家族が立て替える生活が増える理由

香川県でこの問題が顕在化しやすい背景には、
いくつかの地域特性があります。

  • 高齢者のみ世帯が多い
  • 子ども世代が県外に定住している
  • 金銭管理を親一人に任せきり

その結果、
認知症が疑われた瞬間に、
お金の流れが一気に止まるのです。

事前の備えがなければ、
家族は選択肢のない状態で、
立て替えを続けるしかありません。

6.問題はお金ではなく「判断能力」

ここで重要なのは、
この問題の本質は「お金」ではないという点です。

本当の問題は、
本人の判断能力が低下したと判断されることにあります。

判断能力があるうちにしか、

  • 任せる人を決める
  • お金の管理方法を整える
  • 生活を守る仕組みを作る

といった準備はできません。

認知症対策とは、
財産を守るためのものではなく、
本人と家族の生活を止めないための生前対策です。

次回は、
この問題が家族の人生にどのような影響を与えていくのか、
「立て替え」「介護」「きょうだい間のズレ」という視点から掘り下げていきます。

認知症は、誰にでも起こり得る問題です。

だからこそ、
起きてから考えるのではなく、
起きる前に知っておくことが、
何よりの対策になります。

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