相続でお困りですか? 登記と税金の悩み、その場で無料解決!
令和7年6月18日(水)に「北野純一税理士事務所」内で開催されます「相続法律・税務無料相談会」が実施されます。相続前のご相談、相続発生後のご相談、どちらにも対応しております。
令和6年4月1日に施行された「相続登記義務化」ですが、この制度の中に「相続人申告登記」というものがあります。相続した不動産は、3年以内に相続登記をしないと、最大10万円の科料に処せられますが、相続人申告登記をすれば、個の過料を免れることができます。それでは、当該不動産を処分できるのでしょうか?
目次
1.相続人申告登記とは
2.相続人申告登記をしたから不動産を処分できる?
3.まとめ
1.相続人申告登記とは
「相続人申告登記」とは、登記官に対し、「所有権の登記名義人について相続が開始した旨」 もしくは「自らが当該所有権の登記名義人の相 続人である旨」を申し出ることにより、登記官 が職権で当該申し出をした者の氏名および住所 等を所有権の登記に付記する制度です。こちらも、令和6年4月1日より施行されます。
実際に、相続人申告登記をした場合の登記簿では、以下のように表示されることになります。(相続人申告登記をした時の登記簿の内容)
この制度は、相続人のうち一人が相続人申告登記をした場合であっても、その効果は他の相続人にまで及びません。よって、一人ずつ申し出をする必要があります。相続人のうちの一人が相続人申告登記をすれば、他の相続人についても、あわせて「申出がされたものとみなすべきでは」、と議論はされたようですが、詳細な戸籍謄本等の提出は求めず、申し出をした人の氏名、住所等を付記するにとどめる簡単な制度にするという制度趣旨から、個人単位での申出が必要になりました。ただし、他の相続人から委任を受け、代理人として代表者1名が全ての相続人全員分の申し出を行うことは可能です。この申し出につきましては、法務局に収める申請費用はかかりません。※司法書士に代行してもらうには、司法書士報酬がかかります。
この申出により、相続を原因とする所有権移転登記を申請する義務を履行したものと見なされます。しかし、この状態のままでは、当該不動産を売買で処分することはできませんので、注意が必要です。最終的には、遺産分割協議を経て、当該不動産の所有者を確定させて後に相続登記をすることが必要になってきます。
2.相続人申告登記をしたから不動産を処分できる?
「相続人申告登記」をすると、確かに相続登記義務化の罰則である「最大10万円以下の過料」の適用を免れることができますが、この状態で当該不動産を処分することができるのでしょうか?
答えは、「できません」。
(法務省HP引用)
「相続登記を申請しようとする場合、被相続人の出生から死亡に至るまでの戸除籍謄本などの書類を収集して、法定相続人の範囲や法定相続分の割合を確定する必要があります。
そこで、期限内(3年以内)に相続登記の申請をすることが難しい場合に簡易に相続登記の申請義務を履行することができるようにする仕組みとして、「相続人申告登記」が新たに設けられました。
なお、相続人申告登記は、簡易に義務を履行することができる一方で、以下のような留意点があるため、直ちに遺産分割や相続登記の申請をすることが難しい場合などに、義務を果たすために利用いただくことが想定されます。
〇 遺産分割に基づく相続登記の申請義務を履行することはできない
〇 不動産についての権利関係を公示するものではないため、相続した不動産を売却したり、抵当権の設定をしたりするような場合には、別途、相続登記の申請をする必要がある」
(引用終わり)
「相続人申告登記」は、一般的な不動産登記のような権利関係を公示する目的のものではないため、当該不動産の処分まではできないとされています。
3.まとめ
先日の相談会で、「相続登記をしたから、不動産の処分をしたいので不動産屋を紹介してほしい。」と言われたので、相続登記がなされているのか確認するために登記簿を確認すると、相談者のみの「相続人申告登記」が入っていました。他に相続人がいるのかを確認すると、その方と亡くなった方の間に子供がおらず、亡くなった方の両親も既に他界されているとのことで、その兄弟姉妹に相続権がある旨を説明し、その方たちと「遺産分割協議」をしたのちに、「相続登記」をしないと、不動産の処分ができない旨を伝えました。よくよく話を聞くと、すでに不動産屋に行ったのですが、このままではできないから、司法書士の先生の所に行ってくれと言われたために相談に来たそうです。戸籍を集めて、相続人を特定し、遺産分割協議をして、相続登記ができることを伝え、その手続きを受任いたしました。
相続人申告登記は、義務化の過料は免れますが、権利関係の公示の効力はありませんので、将来的に不動産の処分を検討されている方は、ご注意ください。
令和7年6月18日(水)に「北野純一税理士事務所」内で開催されます「相続法律・税務無料相談会」が実施されます。相続前のご相談、相続発生後のご相談、どちらにも対応しております。
終活が注目される現代、遺言書の作成は相続対策の重要な一環として広く認識されています。しかし、遺言書をいきなり書き始めるのではなく、まずはエンディングノートを作成することが推奨されています。エンディングノートは法的拘束力を持たないものの、自分の人生を振り返り、財産や希望を整理することで、遺言書をより明確かつスムーズに作成する助けとなります。本稿では、遺言書作成前にエンディングノートを活用する意義について考察します。
少子高齢化が進む日本において、相続対策の重要性がますます増しています。特に、相続に関連する手続きや税務処理は専門的な知識を必要とするため、多くの人にとって不安の種となっています。このような状況下、終活の一環として行われる相続対策セミナーや相談会のニーズが高まっており、アイリス国際司法書士・行政書士事務所も連携税理士とともにセミナーを実施しています。
相続に関連する不動産登記は、遺産分割や財産の引き継ぎにおいて重要な手続きです。しかし、実際の登記手続きにおいては、さまざまな問題や困難が発生することが少なくありません。相続人が多い場合や、連絡が取れない相続人がいる場合など、特定の要因によって手続きが複雑化し、円滑に進まないことがあります。本稿では、相続時の不動産登記において生じやすい困難要因を具体的に解説し、その対策についても考察します。