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⑲相続放棄:長年音信不通の母と離婚した父の債権者からの請求について

2023年03月21日

相談者の方からのご質問です。「私は母と離婚した父と何十年も音信不通でしたが、先日、父の債権者と名乗る方から、私が相続人であるとして請求書が届きました。確認すると、父親は1年前に亡くなっていることが判明しました。相続放棄をしたいのですが、亡くなってから3か月経過してしまっていますができるでしょうか。」とのこと。

債権者からの通知を受けて初めて、自己のために相続が開始したことを知ったのであれば、当該通知を受けた日が相続放棄の熟慮期間の起算日となります。なお、熟慮期間の計算については、初日は参入しませんので(民法140条)、通知を受けた翌日から起算して3か月が熟慮期間となります。

※被相続人の存在すら知らなかった相続人が、被相続人の債権者から催告書の送付を受けたが、その催告書には被相続人の法律上の相続人になったことを基礎づける事情の記載や資料の添付がなかったという事案において、「相続人が催告書の記載を見たことのみをもって、相続人が相続開始の原因となる事実及び自分たちが法律上の相続人になった事実を知ったということはできない」と判断した裁判例があります。(東京地裁平21.1.29(平20(ワ)28931))

相談者の方が、催告書を受け取ってから1か月ほどしか経過していませんでしたので、相続放棄の書類作成及び戸籍類の収集にて対応いたしました。